「2020年」タグアーカイブ

ドゥームズデイ・クロック – ジェフ・ジョーンズ

アメコミ界を以前/以後で切り分けるほどの影響を与えた伝説的作品『ウォッチメン』の続編に当たる。とはいうものの前作のような読者に高いIQを求める内容ではなく、DCキャラクターを使ったクロスオーバーとして読むべき作品である。

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忍者と極道 – 近藤信輔

決めようか 『忍者』と『極道』 何方(どちら)が生存(いき)るか、死滅(くたば)るか!

『現代版甲賀忍法帖+プリキュア』……という言葉で説明していいのか困る漫画。

昔「なんでもやり過ぎるのがチャンピオンの漫画。エイケンはエロとかなんとか言われてるけどあれは『おっぱいに関してやり過ぎてる』から由緒正しい秋田書店の漫画なんだ」という意見を聞いてこれ以上無いくらい深く首肯したことがあるんだけど、本作からもそんな印象を受ける。

秋田書店はやっぱ偉大(パネ)ェや……。えっ、講談社……?

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真・女神転生III NOCTURNE HD REMASTER

オリジナルは2003年にPS2ゲームとして発表。女神転生シリーズ(通称メガテン)の中でもファンから高い評価を受けつつも、版権の関係で稀少化・プレミア化していた3がリマスターされて登場。

「アトラスはリマスター・リメイクで余計な要素を付けがち」とファンから言われがちらしいが、かなり忠実なリマスターになっている。またアップデートで悪魔合体の継承スキルを選択制に出来る追加要素が加って、運を天に任せた合体(当時から「○×ゲーム」と揶揄されていた)を延々と試行せずに済むようになった。

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ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 アニメ版

わたし侑ちゃんだけのスクールアイドルでいたい
だからわたしだけの侑ちゃんでいて?

大人気アイドルシリーズ『ラブライブ!』の『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』のアニメ版。

ラブライブなのに物語の構成や演出の妙に唸る「本当にこれラブライブなの?」と言いたくなるような良アニメ化だった。外伝的立場だからできたのか、従来シリーズのアンチテーゼとも呼べる展開が出てくるので驚く。また一見よくある良い子ちゃんメインヒロインを装っている上原歩夢こと『ぽむ』がとんでもない暴れ馬なので、百合厨なら一度は見ておきたい。

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MARVEL 倒産から逆転No.1となった映画会社の知られざる秘密 – チャーリー・ウェッツェル

アメリカのコミックス企業でありビジネス上の紆余曲折を経て世界でもっとも成功した映画シリーズを作り上げたマーベル社を巡るビジネス書。コミックスのキャラクターについて掘り下げた書籍では無く一企業の来歴を書くビジネス書である為、マーベルが凋落していた時期の描写がもっとも興味深いと感じる。

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私のジャンルに「神」がいます – 真田つづる

2020年6月~11月にかけてTwitter上で盛大にバズった、同人誌を巡る女性の悲喜交々エピソード漫画が書籍化。同人に関わる読者を悶絶させる切り口のエピソードもさることながら、今後の同人界で共有されるであろう「おけけパワー中島(おけパ中島)」という概念を産みだしたことで一つのマイルストーンと言える作品である。

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夢の端々 – 須藤佑実

令和から戦後までの70年間の期間をもって二人の女性の人生を追っていく作品。「数十年単位の長い年月を掛けた関係性」という誰もが一度は書きたくなるようなテーマを戦後の日本を舞台に描くとき、それが「一緒に『いなかった』長い年月」として結実する描写に脱帽する。

百合というジャンルが「女性と女性の間にある関係・感情」を広く扱う言葉であるのなら、本作のような作品をもってジャンルが大きな可能性を持つことの証明としたい。

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ザ・ボーイズ (The Boys) シーズン2

同タイトルのアメコミを原作としたAmazon Originalドラマ。相当にきわどい内容であるにも関わらず大ヒットした。

ヒーローものであるにも関わらず、戦闘シーンよりも現代アメリカを皮肉った描写の数々がメイン。前シーズン感想(記事)で「ヴォートのクズヒーローを一般人がなんとかして倒していく作品だと思ったのに!」とか書いたのだが、「クズヒーローの被害者となった善良な市民が復讐する」という構図ではなく、「クズの敵はまた別のクズ」という形になっているあたり、現代アメリカ社会への反映の結果自然とそうなったんだなと今は感じる。

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タイムパラドクスゴーストライター 市真ケンジ×伊達恒大 全2巻

週刊少年ジャンプ掲載。基本的な考証の甘さと、漫画家の主人公が作品を盗作する展開の割にピカレスクロマンには振らない内容で、おそらく今年のジャンプでは断トツで叩かれる作品となった。

私は判官贔屓というか、ある程度叩かれている作品はもう自分がわざわざ嫌いになることもないな……って気持ちになるからか、この作品嫌いではない。少なくとも連載を読んでいて「一体次回はどうなってしまうんだ!?」という気持ちにさせるという点では凄かったと思う。

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