ふたごわずらい 全2巻 – 桜野いつき

? どうして?
私たちの間には誰も入ってこれないよ?
だって双子だもん

麻紀ちゃん先生、労災だろ!?「百合にはやっぱり迷惑な女がいなきゃ!」と言いたくなる作品。姉に病的に執着する妹と、その妹から逃れて他の女に縋ろうとする姉の迷惑な双子姉妹が周りに迷惑を掛けていく話。ほら!もう読みたくなったでしょ?(←最悪の紹介)

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「伊澄アコ」と「伊澄こまち」は双子の姉妹。
幼いころから意識せずとも通じ合っていた二人だったが、高校3年生になったころから、アコは違和感を感じて不安をいただくようになっていた。
そんな中、別の拠りどころを求めていたアコは、放課後の教室で、副担任の「大沢麻紀」先生に強引に詰め寄りキスをする。しかし、妹のこまちが向かいの校舎からそれを見ていて…。
いびつな姉妹の愛。青春の終わりに、絆を結び直すジュブナイルストーリー。 - コミック百合姫

掲載雑誌の百合姫を購読しているのだが、『お姉ちゃんが麻紀ちゃん先生に言い寄ってた面接室が、妹ちゃんの居た向かい側の教室から丸見えで……』という一話目のラストで早速「もうサイコー!」ってなってしまった。「直接描かない」という王道のホラー文法の末に描かれる、妹ちゃんの笑顔で変な笑い出たよ。絶対に拗れるし最悪の展開に突き進むという安心感がイイ……(心が汚いオタク)。

全編を通して「ホンマになんなの君ら……」ってなる双子が周りに迷惑かけていくのを楽しむ作品だと思う。妹のこまちちゃんが本当に百合作品に理想的な粘着ガールで読者にはこっちばっかり色々言われてた印象があるけど、お姉ちゃんのアコちゃんもかなり大概だよ……。妹ちゃんが「世界中の誰よりもお姉ちゃんを愛してる」って雪ちゃんに言うときの表情(カオ)が、「他の百合姫作品のキャラが「好き」って言うときはさぁ!もっと「す、好きぃ(/////)」みたいに背景ポワポワのトーンでゆってるよ!」って言いたくなるような表情なんだけど、次のページでお姉ちゃんが『まったくおんなじ表情で』麻紀ちゃん先生に「好き」って言ってて膝から崩れ落ちてしまった。似てる!君らめっちゃ似てるよ!!!なんか創作に出てくる同性の双子って性格を正反対に設定することが多いから、相似性を強調する演出を見せられると新鮮だ。

そんななのにお姉ちゃんに近づく為にキモ行動を繰り返す妹ちゃん。リボンお揃いみたいなのは他の作品でも見るけど、『お姉ちゃんが腕怪我してるから私も腕怪我する』とか最高にキモすぎる。もうこれだけで殿堂入りだよ……。お姉ちゃんの「双子の妹から病的に執着されているので逃れたかった」という動機の説得力が尋常では無い。

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こういう作品、基本的に和解や浄化に向かって進んでいくのが常だし本作もそうなるのだが、最後の最後で妹ちゃんがやっぱり懲りてなかったので「ホントお前さ~!(満面の笑み)」ってなった。そうそう、こうでなくっちゃ。「コイツにはもう……何を言っても無駄だ……」という諦観を義務づけられるような頑なさ。百合作品にはこういうキャラがいないとな!

さて本作もめでたく完結したのだが悲しいお知らせ。本作の完結後に桜野先生、筆折ってしまったのである。Twitterで急にアカウント全部消しますみたいなこと言い出したので「ヴゥェエ!?」ってなった。女性の同人作家とかで時々こういう人いるけど商業まで行った人でこういうのって初めて見たなぁ……。個人的にpixivの画像だけbotで保存したが、発言通り全部消してしまったのでウェブ上には何にも残らなくなってしまった。

凄い残念……。滅茶苦茶可愛い絵柄とは裏腹に「うわぁ……」ってなる演出で攻めてくる作風が好きだったので、またどこかで創作再開してくれないかなぁ……。

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