1996年~1999年連載。『寄生獣』と『ヒストリエ』の間に描かれた作品で、すっかり歴史漫画家となった岩明均が「現代社会の時間軸で歴史物を描く」という難題にチャレンジしている。
「漫画」カテゴリーアーカイブ
雪の峠・剣の舞 – 岩明均
『寄生獣』『ヒストリエ』で有名な岩明均が描く戦国時代題材の連作短編を2作品収録している。両方面白いが、築城プレゼン対決という猛烈に地味なエピソードで、時代の移り変わりに翻弄される人々を描いた『雪の峠』が特に素晴らしい。
スーパーマン:アメリカン・エイリアン
シンボルになりたいんだろ。でも、なんの?
有名になりたいのか?何者として?世界一いい人かつ神様か?
お前、そこまで性格よかねえよ
クソ野郎だったこともあるぞ
『クラーク・ケントがスーパーマンになるまで』をオムニバス形式で描いた傑作とされる。DCEU第1作目の『マン・オブ・スティール』(記事)を観て辛辣な批評をしたマックス・ランディスに対して、DCが「描いてみない?」と言って始まった企画だそうな。
スーパーマン:レッド・サン – マーク・ミラー
全世界をボトルに入れたらどうだね、スーパーマン?
「スーパーマンがアメリカではなくソ連で育っていたら?」という、いわゆるifもの、エルスもの作品。ともすれば資本主義と共産主義という政治的な視点が入ってきそうな設定であるが、そうはならず、人類社会すべてに向けられたシニシズム溢れる名作である。
SFマンガ傑作選 – 福井健太編
1970年代を中心に日本製SF漫画の傑作短編を集めたアンソロジー。
色々な作品が掲載されているが、個人的には佐藤史生の『金星樹』がお気に入り。人間の常識的な感覚と科学的事象の間に産まれる無情なギャップから人間ドラマが生じる、まさしくSFならではの傑作である。
ファイブスター物語 – 永野護
Web掲載読み切り漫画 (2021年)
2021年にWeb上に掲載された読み切り漫画の感想まとめ。ラインナップは以下の通り。
- 藤本タツキ「ルックバック」
- 粟森きち 「 汚れた血」
- 佐武原 「宗教的プログラムの構造と解釈」
- すぅ「無二の証明」
ロンリーガールに逆らえない – 樫風
通称「ロンガル」。今時珍しい位の王道中の王道の百合作品で、百合漫画大賞2021の1位に輝いた。まさか1位になると思っていなかったので「自分も好きだけどこんなに人気だったの!?」ってなった。
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バットマン:キリングジョーク – アラン・ムーア
何もかもジョークなんだよ…みんなが大仰に崇め奉っているものも、後生大事に戦い守っているモノも…すべては桁外れにバカげたジョークさ
だったらそいつを楽しみゃいいだろ?なのに…
おめぇはなぜ笑わねぇんだ?
1988年、アラン・ムーア作。50ページも無い短編であるにも関わらず、本作以降のバットマンとジョーカーの解釈におそらくもっとも強い影響を与えている。
ドゥームズデイ・クロック – ジェフ・ジョーンズ
アメコミ界を以前/以後で切り分けるほどの影響を与えた伝説的作品『ウォッチメン』の続編に当たる。とはいうものの前作のような読者に高いIQを求める内容ではなく、DCキャラクターを使ったクロスオーバーとして読むべき作品である。