学園を舞台にした、巻ごとに主人公が変わるオムニバス作品。恋愛を扱った作品って長く続けるべきじゃないなというのが私の持論であるが、この作品は「くっついたあのカップルの先を見たい」という願望が後続の巻でちょくちょくフォローされるので、オムニバス形式をかなり上手く利用していて感心する。
「漫画」カテゴリーアーカイブ
王様ランキング – 十日草輔
「マンガハック」という失礼ながらややマイナーな投稿サイト連載でありながら、SNSを中心にブレイクした作品。元々は絵本で出す予定だった内容で、寓話のような内容である。
決してマネしないでください。全3巻 – 蛇蔵
科学史に関わる偉人の面白エピソードを、アカデミックなウンチクとともに紹介してくれる「大人が読める学習マンガ」。印象的なトリビア・逸話を選んで取り上げていると分かっていても、歴史に名前を残すような人間は無茶苦茶な奴が多いなと思わずにいられない。
がっこうぐらし! – 海法紀光 千葉サドル
学園美少女物と見せかけて実は人類総ゾンビ状態の中で生き残っているサバイバルという作品。アニメ化と実写映画化している。千葉サドルの描く、凄い可愛い絵柄とシリアスシーンでの写実的な表現のギャップが魅力的。
五等分の花嫁 – 春場ねぎ
週刊少年マガジン連載のラブコメ。ヒロインになるメンバーが固定で増減せず、最初からエンディングが提示されていてミステリ要素があるというラブコメでは珍しい作品。5つ子ちゃんは最新話読むたびに推しが代わるレベルでみんなカワイイし、なにより主人公の風太郎君がカワイイので素晴らしい。
麻衣の虫ぐらし – 雨がっぱ少女群 全2巻
百合目当てで読んだのだが農業ネタが面白くて結局そっちメインで読んだ。「虫ぐらし」というか「害虫駆除と切っても切れない農業ぐらし」の方が実際の内容に近い。
社会人百合作品でもあるのだが、大抵OLと在宅勤務者が出てくるこのジャンルで農業という特定の職業テーマで仕事の内容に強くフォーカスしているという意味で結構珍しい。虫が出てくるからという理由で読まず嫌いするのは非常にもったいない作品である。
マーベルズ – カート・ビュシーク
第二次世界大戦の時代から出発し、ヒーローとヴィランの登場で変わっていくマーベル世界のアメリカの数十年を、新聞記者フィル・シェルダンの目を通して描く。「マーベルヒーローの最大の敵はあの世界の市民」とアメコミファンに度々揶揄されているが、本作ではヒーロー・ヴィランたちに圧倒される市民が主人公となる。
マーベルはDCと比べて「一冊で完結している名作」というものに欠けている印象があるのだが、本作は珍しくそれに該当する作品なので気軽に読める……と書いたものの、マーベル史に詳しければ詳しいほど面白いだろうなぁこれ。
FLIP-FLAP – とよ田みのる
おそらく世界でただ一つのピンボールを題材にした漫画。ハイスコアを出すための孤独な戦いとなりそうな題材であるが、青春漫画的な作りからか明るい作風である。同じゲームを通じて人が集まるゲーセン文化を肯定的に描いているのも良い。
やがて君になる 公式コミックアンソロジー
人気百合漫画『やがて君になる』の公式アンソロジー。市場の小さい百合作品でありながら異例のヒットを飛ばした本作品、アニメ版がファンの不安を覆す高品質、スピンオフ小説(記事)に業界定番の作家を連れてきて、このアンソロジーでも有名作家をゾロゾロ揃えて、電撃も作品を大事にしていることがビンビンに伝わってくる。
私の百合はお仕事です! – 未幡
『店員が少女漫画の様な振る舞いをして、客は百合を期待して見に来るというコンセプトの喫茶店』が舞台という「見世物としての百合が前提になっている」ありそうで見かけない設定の百合漫画。ここに普段から外面使ってる主人公がやってきて二重に裏表が絡むトリッキーな仕掛けになっている。