サブノーティカ (Subnautica)

海洋オープンワールドサバイバルゲームであるが、序盤サバイバル、中盤ホラー、終盤アドベンチャーという評があまりにも適格である。自分の脚の下になんにもない真っ黒な空間が広がっていることの恐怖をこれほど感じる作品も無い。

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クリアに72時間くらいかかってしまった……。これからプレイする人はある程度したら素直に攻略を見ることを推奨する。特に資源の探索は「スキャナールームの設置」と「そのスキャン結果を常時表示するための装備品であるHUD」の存在を前提としているので、攻略情報ゼロでこれを知ったときは喜びよりも大きな落胆でリアルに大きな声を上げてしまった。

謎の海洋惑星に、一人取り残されたら―――

もしあなたが、海だらけの見知らぬ惑星にたった一人取り残されたらどうする?親切なチュートリアルもガイドもない。位置を示すマップすらない。ただひたすら、生きるため、そしてこの星からの脱出のために未知の海に潜る主人公の孤独や恐怖、そして生きる喜びに心から共感でき、「本物のサバイバル体験」ができる稀有なゲーム。

美しく神秘的な海を探検しよう。喉の渇き、飢え、そして酸素。生存のために必要な物資を確保するために海へ飛び込もう。今まで見たこともない生物たちや緑豊かな珊瑚礁、海、火山洞窟など様々な景色があなたを魅了する。

基地もスーツも潜水艦も。

生きるために必要なものは素材と設計図を集めて作り出そう。酸素や電力がある、観賞用の魚の水槽やベッドを備えた快適な基地も作ることができるし、探索に必要な深海用スーツや大型潜水艦もつくることができる。孤独なサバイバル生活の中で、新しいものを作り出す楽しみは格別。

海中に響き渡る唸り声。危険な生物から逃げ延びろ。

もちろんこちらに襲い掛かってくる生物も多数存在する。
姿は見えずとも響く唸り声を聞いたら素早く泳いでその場を去ろう。撃退する武器は乏しく、出会ってしまったら小さな魚や作ったアイテムを使ったりして気を逸らし、逃げるのが賢明。 - PlayStation Store

前置き

Xbox Game Passをどれかやってみようというわけで名前を知っていた本作をプレイした。

元々は

5年という制作期間と1000万ドルという予算をかけた作品だったが,もともとは6か月ほどで作れるiPad用のカジュアルアプリとして立ち上がったプロジェクトだった - [GDC 2019]“ほぼ失敗”だった「Subnautica」は,プレイヤーの声で生まれ変わった。プログラマーのJonas Boetel氏が,本作のアーリーアクセスを振り返る 4Gamer.net

という。プレイした人間からすると、嘘やろ?と言いたくなる。ただプレイしてて「これUnity製だなぁ……。この規模のゲームでUnreal Engineじゃないんだ」と分かったけど、当初の予定を考えるとまぁUnityだな。タイトル画面が妙にチープで違和感あるのだが、このへんはその名残だろうか?

ゲームプレイング

海洋を舞台に資源を集めて拠点を作って探索していくオープンワールドゲームとして秀逸な出来である。その後のサバイバルオープンワールドゲームのはしりとなったのも頷ける。

当初は攻略見ないでやっていたのだが、ある程度進んで拠点を作って、その拠点を作るために素材集めて……とやっていたら闇雲に時間ばかりかかるので結局攻略を見た。最初から見ておけば良かった……。本作は正直導線の設置に失敗しているので攻略無しでやるのはあんまりオススメできない。

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全然説明しないスタンスは別に良いのだがプレイヤーに各々の行動を取らせても結局のところ一本道なので、だったらもっと誘導したら良かったんじゃ無いか。シーエンペラー幼体の孵化酵素を作った後、シーエンペラーの所に戻らずにシャトルで脱出したらサンビーム号の二の舞になるかなと期待してやってみたら「抗体無いと出発できません」みたいなのが出てガッカリした。説明しないがプレイヤーの取りえる選択肢に回答を用意しておらず一本道しか無い。オーロラ号が爆発しないと中に入る道が無いので侵入できない、みたいなのもっと用意して導線作った方が良かったんじゃないか。

選択肢があるならプレイヤーの行動に制限を掛けないほうがいいが一本道なんだからメインクエスト作って欲しい。終盤シーエンペラーとの別れでもう精神的にはエンディングに入ってる心境なのに、そこから脱出シャトルでアレ持ってこいコレ持ってこいになるのはなんか段取り悪いなってなる。

当面の目標が「惑星から脱出する」なのは最初から明白なので、「シャトルを作っていく過程で必要な素材を各地から探さねばならなくなるが、行く先々で惑星とプリカーサー(先駆者)の謎を発見して……」っていうのをメインクエストにすればよかったのになぁ。シャトルの完成度がそのままエンディングへの到達度のバロメーターになり、深海にしか無い素材を採取する過程でロストリバーへの導線作ったら良かったのに。

上記で引用した記事にもあるように難産だったと言う部分にこの辺がかかっているんだろう。これは作中で制作できるアイテムや装備品にも感じられる。シーグライドにスキャナー(周辺の立体地図表示)付いてるのにシーモスやプローンスーツに付いていないとか、ライト作れるのにヘッドライトに出来ないとかこの辺のチグハグさはプレイしててどうしても首を傾げてしまう。

シナリオ

プレイング体験の話題になりがち(というのは本作が優れたゲームプレイングを提供していることの証に他ならないわけだが)だが、ゲームとしてのシナリオがそれに劣らず秀逸であることを褒めたい。

ゲームでしか出来ないシナリオと言うものがあると思うが、本作はまさしくその体験が出来る。かつてこの惑星に来た先駆者の情報を発見し、その遺産を探索し、ついには先住生物に会う。その過程で未知の光景を目撃する。すごいゲーム的なシナリオだ。

余談だが、最初にプラウンスーツが実装されたとき開発がシーエンペラーと戦うためとか言っていたらしい。そうしたらあのママと戦うことになったのだろうか?今の展開になって本当に良かった。敵を殺していくゲームなんて数多あるので、そんなレッドオーシャンを進む意味がない、この大団円に繋がらないだろう。

終わりに

面白かったけど時間かかりすぎである。途中からず~っと「いつ終わるんだよこれ……」って考えてた気がする。Giant Ghost Treeの付近(熱源もあるし製作者が『用意』したとしか思えないあの場所)に最終的な拠点を置いてそこを充実させてたときが一番心安らいでたかなぁ……。

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