ユリトラジャンプ~ウルトラジャンプ百合アンソロジー~


雑誌「ウルトラジャンプ」に掲載された読み切りを集めたアンソロジー。いくつかの百合アンソロジーを読んでいるが、百合の方向性より作者の個性に振ったタイプの作品が多い本作は百合アンソロジーとしては異色であると思う(というかそもそも「読み切りの中で百合っぽい奴」を集めたものらしい)。

アンソロジーは各収録作品の短さで物足りないことも多いのだが、本作は1作1作のページ数のボリュームが多く、1巻約350ページ、2巻約440ページ、3巻約500ページもある。これは一方で紙での発行がなく電子書籍でしか読めない理由にもなっていると思われる。

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各巻ごとの感想

各巻で気に入った作品に言及している。

第1巻

原作:安田剛助 作画:文尾文『痩せたいさんと失恋ちゃん』

百合のファンにはよく知られた作家二人のタッグによる作品。一度は諦めた感情が、あるとき生じた期待をきっかけに膨らんでいくの良いよね……。相手が結婚ダメだったって分かって吹き出してくるっていうのが本当に良いよね(満面の笑み)。

好評だったのかシリーズとして続いて単行本1冊として出ている。雑誌掲載時の状況を知らないんだけど、もしかしてそういうシステムだったのかな?

第2巻

うたたね游『友達の友達は友達じゃない』

親友に巨大感情持ちの子とそのせいで孤立気味な子の閉じた世界に転校生がやってきて「アンタさえこなければ……!」っててんやわんやになる話。ゆきちゃんに近づく女に誰彼かまわず噛みついて追い詰められたら最後はうわ~んって子供みたいに泣いちゃうまおちゃん好き。小型犬だよこの子……。

ラストでめでたしめでたし……って思ってたのに、最後のゆきちゃんの表情で「ウワアアアアアアア!!!!」ってなった。あらしちゃん百合作品の主人公適正有りすぎる……。これ連載してくれええええええええ!!!!!……というか、これ連載の第1話っぽくない?1巻の『痩せたいさんと失恋ちゃん』みたいに続いてくれればよかったのに。ちなみに後日談的なのは、うたたね先生がTwitterに上げている。

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代わりに(?)ってわけじゃないけど、うたたね先生は現在百合姫で『踊り場にスカートが鳴る』絶賛連載中である。マジ名作だから絶対読んでくれよな!

第3巻

藤咲ゆう『あまいかのじょ』

1ページ目で「ああ、これ好きな奴だ……」となって実際凄い良かった作品。こういう恋愛感情とはまた違う「女と女の間にある感情」を描いている作品こそを百合と呼びたい……!

ゆきちゃんの性格の悪さのリアルさ好き。創作作品に書かれる「悪さ」って露悪過ぎたりして白けること多いんだけど、こういう人は実際たくさんいるよな……。こう言っちゃなんだが(一部の)男が「自分にもオトせると(勝手に)思っているタイプの女性」って大抵こういう部分有るんじゃないの?って勝手に思っている。この「悪さ」を昇華できるのが創作なんだよな。

最後のページで序盤に出てきたバウムクーヘンの意味が分かって感心。読んでる途中で気付かなかったよ、凄い……。これもしかしなくてもバウムクーヘンエンド(参考:ピクシブ百科事典「バウムクーヘンエンド」)にもかかってるんだろうか。

と思ったら、藤咲先生本人が普通に言及してた。元々ショート漫画描いてそれを膨らませた作品だったのね。


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