繭、纏う – 原百合子


ねえ制服が息する音聞いたことある?

お嬢様学校という閉鎖環境、髪で結った制服、周りに影響を与えずにはいられない謎の美少女、と感情を燃え上がらせる要素てんこ盛りの百合作品。

表紙を見て「あっ、これ好みだ」ってピンと来た方には、「あなたの考えている100倍くらいそうなので、ネタバレもあるこんな記事読んでないでさっさと買いに行った方が良いですよ」と言いたい。

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まるで生きているように美しい制服を纏い、長く、艶やかな髪をなびかせる星宮女学園の少女たち。
楽園を揺るがす、ある”事件”をきっかけに、彼女たちの秘めたる想いが絡まりだす……。

息を呑む鮮烈な描線。謎めく繊細な物語。胸締めつけるほど純粋なガールズ・ラブ、開幕。 – 角川書店

お嬢様学校での百合という設定は山ほどあるが、「女子が髪を伸ばして卒業前にそれを切り、その髪を材料にして新入生の制服を作る制度がある」という滅茶苦茶エモい設定がドッキングして凄い漫画になっている。

非常に陳腐な表現で申し訳ないのだが、絵がめっちゃ凄い。単行本の帯で『やがて君になる』(記事)の仲谷鳰絶賛!ということで

「少女たちの間を美しく流れる髪と、感情。この絵でなければこの物語は描けない。ずるい」

というコメントを残しているのであるが、仲谷先生さすがというかこの作品にもの凄い的確なコメントをしている。漫画家というのは自分の画力で描ける作品しか描けない訳だが、本作品は髪の描写に並々ならぬ執着を持ちそれを絵で表現出来る原先生でないと描けない。本物のメイドを描けるのは『エマ』の森薫先生だけ!みたいな。

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巻毎の感想

1巻

お嬢様然としたお耽美な話なのかと思いきや主人公の横澤さんが凄い俗な子だったので安心してたら、さっそく王子様への暗い嫉妬描写あって吹いた。

2話目から時系列が遡り、各話事にそれぞれの人物の視点でエピソードが積み上がる形式を取っている。星宮さんというファム・ファタールが周りに影響を及ぼしていて、制服だけじゃなくてこっちでも呪いかよ……。お嬢様学校という閉鎖環境に呪いの火種パンパン過ぎる。

2巻

別キャラが主人公になったり、2年前まで時系列が遡ったり完全に群像劇になってきた。この巻の終盤で第1話とリンクしたのみて上遠野浩平のブギーポップシリーズみたいだと思ったのだが、それ考えると余計に星宮さんが水乃星透子に見えてくる。学校に少ししか顔出さないのに、出てくるシーン全部で他人に巨大感情産んでるの酷い。


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