ユリビュート 百合姫読切再録集


コミック百合姫に掲載された読み切り作品の再録アンソロジー。主に2019年から2020年にかけて掲載されたものの中から12作品収録している。

以前、百合姫掲載読み切りで単行本に収録されてない作品の感想を『百合姫の単行本未収録読み切り漫画』という記事にまとめたのだが、その中から3作品選ばれていた。なので本記事はほとんどそこからの再掲。

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過去に「コミック百合姫」に掲載された読切作品から、珠玉の12編を収録したアンソロジー。俊英たちによる胸焦がすストーリーをお届けします。

【収録作品】
[君とゆく、]嶋水えけ
[スノウトーク]純玲
[渚にて。]tsuke
[蔓日々草]さかなや
[わたしのこい]のちむゆ
[あの日の続きをしましょうか]もくはち
[ハイドアンドスイーツ]つつい
[桜日和のへたれなワンコ]辻柚那
[絵の具の匂いがした]柏木ツキコ
[お誕生日おめでとう。]さかさな
[ないしょの向日葵]篠ヒロフミ
[軽木さんと荒重さん]日野アラシ

一迅社 コミック百合姫

作品毎の感想

純玲 - スノウトーク

2020年3月号掲載。ペンネームの純玲は「すみれ」と読むそうな。過去の失敗から失語症になってしまった演劇部所属の主人公が、電車の中でよく顔を合わせていた女性と、あるきっかけで仲良くなるが……という話。

凄い王道の話だと思うんだけど好きだなこれ。一番最後のページ、結ばれる結末が訪れなくても息づいているもの・残ったものがある、という凄く好きな表現だ。色んなことが起きるけど人生はその後も続いていく、っていう話良いよね。

さかなや - 蔓日々草

あ そっか エリの一番は もう 私じゃないんだ

2019年5月号掲載。幼馴染みの女性二人のうち片方が結婚することになったというエピソードで、読み切りという短い尺の中で二人の歩んできた年月が感じられるのが凄い。

私、二人の絆を描いて、二人の道がこれから分かれていくことを描いて、その二人の最初のエピソードで締めるの好き!「しあわせになれよぉ」で既にしんどいのに、ラストで追い打ち掛けてくるから困る。読んだ後はタイトルの蔓日々草 (ツルニチニチソウ)の花言葉も調べて見よう!

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さかなや先生、ウェブ上では「さかな」名義らしくご本人を見つけるのに若干難儀した(取りあえずTwitterアカウントpixivアカウントは見つけた)。Amazonとかで「さかな」「さかなや」で探しても案の定料理関係しか出てこないんですが、実は単行本に収録されていたらすみません。

のちむゆ - わたしのこい

あ みじめだ みじめだなわたし 何やってんだろ

やだなあこんな私 彩花に迷惑かけて うれしいんだ

2019年2月号掲載。半分保健室登校状態の無気力女子高生である美愛が唯一学校で興味を持てるのは幼馴染の彩花だけ。そんな彩花にある日……。

皆さんもご存じだと思うんですけど、女の子の自己嫌悪って文学じゃないですか?ダメな自分を嫌悪してダメなまま終わってしまう話いいよね……。冒頭で引用したシーンは言葉を失いましたよ。

先にこれを読んでいたので、すれ違い巨大感情百合アンソロジー(記事)のトップバッターでのちむゆ先生が来たとき「ああぁ……」ってなった。そっちはもっと救いが無い。

終わりに

雑誌でしか読めないために再読性が低いのは勿体ない!ということで『百合姫の単行本未収録読み切り漫画』という記事をかつて作成したわけだが、同じような需要で本作が作成されたのは大変にめでたい。

この流れ是非続いて欲しいなと思っているのだが、実は本作は電子書籍のみの発行となる。やっぱり需要がそこまで見込めないということだろうか……。


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