すれ違い巨大感情百合アンソロジー


本来のタイトルが「泣きながら百合セックスアンソロジー」だったらしく、すれ違い要素を求めると若干肩透かしを食らう。「体でつながっても心でつながれない百合アンソロジー」とかの方が良かったかも。当然ながら「百合はハッピーエンド主義!」な人は回れ右である(そんな人が手に取るとは思えないが……)。

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幸せだけが百合じゃない
通じ合わない一方的な恋だけを描いた百合アンソロジーがついに登場!カバーイラストにおしおしお、コミックにはのちむゆ、まにお、いちごイチエ、つつい、タカハシマコ、柏木ツキコという豪華執筆陣で送る、ビターでインモラルな世界をお楽しみください。 – 一迅社

こういうタイトルなので「両思いなのにすれ違いから悲恋に終わる」話が多いかなと思ってたけど意外とそういう話は無かった。なんか片方からは矢印が出てない話が多いような……と思ったら、

てん編集「5月末に出る”すれ違い巨大感情百合アンソロジー”の当初案は”泣きながら百合セックスアンソロジー”だった。」 – サラリーマン黙示録 in Tokyo

んだそうな(百合姫トークイベントのhime cafe出張版2019/4/3に出席された方のレポート記事より)。これでなんか腑に落ちた。レズ風俗百合アンソロジー(記事)は大丈夫だったけどセックスって単語がまずかったのかな?「すれ違い巨大感情ってなんやねん」って界隈で話題になったから上手いタイトルの付け方だったな。

さて本来のテーマが「片方からしか矢印が出ていないのにセックスという関係にまで至ってしまっている悲しさ」という風に見ていくとどの作品もだいたい理解出来る。タカハシマコ先生の「好きじゃ無い子とつなぐ手は人間の形をしている」は、相手役の子が冗談めかして「人間扱いしてくださーい(笑)」みたいなこと言うんだけど、これがセックスした帰りに言う台詞なのが凄い。テーマ直球なタイトルと合わせて本アンソロジーを象徴するようで、タカハシ先生さすがベテランの貫禄ある。

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のちむゆ先生の「わがままだったね、私たち。」は冒頭から最悪の結末を提示してそこから回想する話。のちむゆ先生は百合姫2019年2月号掲載の読み切り「わたしのこい」を読んで個人的に注目していた作家さんだったので、載ってるって知ったとき「おお!」ってなった。あれを読むと、このアンソロジーに呼ばれた理由凄い分かる。自分でもダメだって分かっていて、そこから抜け出したいけどダメなまま終わってしまう女の子いいよね……。

まにお先生の「後悔先に立たず」は「幼なじみの女の子が自分のこと絶対好きだと思ってたのに別の女が好きって言い出したので……」って話。セックスしても、「ちゃんとお別れのメッセージ送った?」って関係の崩壊を後押ししても、受け入れて貰えない女の子いいよね……。あとがきに書いてある「自分のことしか考えてない突っ走りがち自滅系二次元メンヘラ好き。」にうんうん頷いてしまった。私も好きです(真顔)。

まぁ、こんな感じでしょうか。「アイツ体だけのレズセの話になると早口になるの気持ち悪いよな……」って人には良いと思います。


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