ザ・ボーイズ (The Boys) シーズン2


同タイトルのアメコミを原作としたAmazon Originalドラマ。相当にきわどい内容であるにも関わらず大ヒットした。

ヒーローものであるにも関わらず、戦闘シーンよりも現代アメリカを皮肉った描写の数々がメイン。前シーズン感想(記事)で「ヴォートのクズヒーローを一般人がなんとかして倒していく作品だと思ったのに!」とか書いたのだが、「クズヒーローの被害者となった善良な市民が復讐する」という構図ではなく、「クズの敵はまた別のクズ」という形になっているあたり、現代アメリカ社会への反映の結果自然とそうなったんだなと今は感じる。

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激しさを増し絶望的であった「ザ・ボーイズ シーズン2」で、ブッチャーやヒューイと仲間たちは、シーズン1での敗北から立ち直れず、法から逃れながら、スーパーヒーローへの反撃に苦戦する。ヒーローたちを管理するヴォート社は、スーパーヴィランの脅威を利用しパニックに陥らせる中、新ヒーローのストームフロントが会社を揺さぶり、すでに不安定なホームランダーに挑戦を挑む。 - Amazon

いきなり余談。今年の7月、Windows10に「Amazon プライム・ビデオ」アプリAmazon Prime Video for Windowsがリリースされた(Microsoft Storeのアプリだ。時代だね)。これでPC作業時に「ながら見」が出来て、かつオフライン再生が出来る環境が完成してWindows10でもNetflixと並ぶ環境が揃った。今回はこれを大いに活用して完走した。

キャラクターごとの感想

  • ホームランダー:たぶん主人公。色々有りすぎてなんて言ったら分からないが、アントニー・スターの演技凄すぎてミルクのシーンとかもうやっぱりなんて言ったら良いか分かんねえよ!最後のシーンもうわぁ……感凄いけど「誰かに愛されたいが為にヴィランになることは決して出来ないヒーロー」がもう自分で自分を慰めるしかないって表現としてある意味直球だと思う。
  • ストームフロント:ホームランダーに対するカウンターキャラとして出てきて「面白いキャラ出したな!」と思ったのだが、ヴォート創設者の妻の設定が出たあたりからキャラ変わっちゃって正直ちょっとガッカリした。雑コラ部隊が出てたからナチスの写真だってコラじゃないかという気がしてたけど本物だったんだなぁ。ナチスのキャラとホームランダーへのカウンターは別で用意して欲しかったな、なんて。
  • クイーンメイヴ:本物のヒーロー。最終回で「そこのドイツ女(吹替版)」した時、滅茶苦茶テンション上がった。あんなに疲れたOLムーブでやさぐれてたのに最後の最後には助けに来てくれるの頼もしすぎる。
  • ディープ:監督に「彼はサンドバッグなんで」みたいなこと言われていて吹いた。なんで居るの?ばりのこと言われているけど、キャラクターの掘り下げという意味では主人公ばりにされていると思う。結局教団の教義に全然同調して無くてなんか安心した。
  • Aトレイン:前作ラストで退場しててもおかしくないのにしぶとく存命してセブンに舞い戻った男。Black Lives Matterのネタまだやってないもんね……。
  • ブラックノワール:やっぱりよく分かんないけどナッツアレルギーと言うことだけ判明した。しかし家の屋根の上に日中居るの滅茶苦茶シュールだ。
  • ランプライター:思ったよりまともな人だったので仲間になると期待してたのにあっさり死んでしまった……。死ぬ理由は明確だけど、滅茶苦茶些細な理由で死に振れてしまうのって欝の描写として凄いリアルだな。
  • スターライト:とうとう人殺しちゃった……。めっちゃコウモリ状態なのにヴォートに戻れるの凄い。
  • ヒューイ:一般人代表みたいなポジションのくせにやっぱり随所随所でキチガイ描写が光る。ランプライターの腕冷静に斬ってたの唖然としたよ……。ヒューイが動くとピタゴラスイッチバリに状況が動いてメタメタになる感あるんだよな。君もしかしてそういう上遠野浩平作品的な能力持ってない?
  • ブッチャー:前回のラストで「お辛い……」だったのにベッカと再会して人間性を取り戻したと思ったらもっとお辛い……。ザ・ボーイズ側で一番シーズン3で何するのか分からないキャラだと思う。
  • フレンチー:ランプライター回で急に掘り下げられたから絶対死ぬと思ったけど死ななくてよかった。せっかく作った対ストームフロント用武器が一瞬でおじゃんになったとき、うぁぁってなった。あれの爆発でクイーンメイヴが来れたと信じたい。
  • MM:みんなのママ、マザーズミルク。この人居ないとマジでどうしようもないよ……って感じだが、8話のブッチャーが「お前なら任せられる」って直球で言っててもうデレデレやん……って。
  • キミコ:シーズン1だと汚れた状態ばっかりだったけど綺麗にしたら普通に美人だ。最後ストームフロント戦で笑い始めたからいよいよ喋るかと思ったら手話だった。来シーズンかな。
  • ニューマン議員:全然正体に気づかなかった。能力無敵すぎない?って感じだが、教会代表を窓越しに見る描写から相手を視界に収めないと能力使えないようなのでそれが救いになるか?

感想

前回に続いて現代アメリカを皮肉りまくりの社会派(?)ストーリーである。前回のラストでザ・ボーイズ側が全部手札失った感じだったのに、敵のヴォートも結局ガタガタ。今までなんで上手くやれていたんだと言いたくなるが、多分マデリーンって無茶苦茶優秀だったんだな。

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前回のラストがクリフハンガーだったので今回もそうなるかと思ったのだが、想像してなかったくらいに綺麗に終わったので驚いている。なんというかこういう展開見たいけど見られないだろうなぁっていうのが結構直球で見られた。中盤くらいまでは「なんかあんまり前に進まなくね?」とか言われてたがそこで貯められてたものが終盤にドドッと来る感じ。

クイーンメイヴの「おいそこのドイツ女」(吹替版。原文のhey krautはザワークラウト食べてるドイツ人への蔑称で字幕だとキャベツ野郎とかになってるそうな)からのリンチシーンは最高だった。アジア人女性とバイセクシャル女性とヘテロ白人女性がクソナチをボコボコにする(ちなみにクソナチ女を演ずるアヤ・キャッシュはユダヤ系)って作品「外」でも無敵すぎるよぉ!色々な創作作品がポリコレに抵触しないようにする中、戦い方がインフロント過ぎる本作を象徴するようなシーンだ。

ボーイズ側はブッチャーを除いて大勝利というべき結果に終わって、ここがシリーズ最終回でも不思議ではない幕引きだった。最初はディープのネタ要因だと思っていた教会が思ったより大物でシーズン3で三つ巴になるのかと思っていたらラストでアレ。ニューマン議員(最後まで正体に全く気づけなかった……)がラスボス枠なのかなぁとか、ヒューイよりによってなんちゅうとこに就職しようとしてるんだよとか、逆にこいつの謎の行動力で奇跡起こさないともう倒せなくねとか色々思うところ有るが、とにかく次回が楽しみだ。


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