世界初の百合SFアンソロジー。「女性同士の関係性」(注:恋愛とは限らない)という認識を元に、各作家が各々の個性をぶつける多様な9編が収録されている。
「百合」タグアーカイブ
すれ違い巨大感情百合アンソロジー
本来のタイトルが「泣きながら百合セックスアンソロジー」だったらしく、すれ違い要素を求めると若干肩透かしを食らう。「体でつながっても心でつながれない百合アンソロジー」とかの方が良かったかも。当然ながら「百合はハッピーエンド主義!」な人は回れ右である(そんな人が手に取るとは思えないが……)。
ピュア百合アンソロジーひらり、 全14巻
2010年から2014年にかけて計14巻発行された新書館の百合アンソロジー。まだ百合の供給が少なかった時代に毎回400ページ前後の大ボリュームで発行され、界隈の中では現在でも高く評価されている。
やがて君になる – 仲谷鳰
一般紙に現れて圧倒的な評価を受けた百合界のスーパースター漫画。「百合だから評価された」というより「複雑な感情を扱う作品が、百合のフォーマットで出てきた」ことが色々な意味で重要なんじゃないだろうか。
レズ風俗アンソロジー
かつての砂漠状態が信じられないくらい百合の供給が増え、百合アンソロジーも今年に入って10冊以上発行されるようになった昨今、多様化の為か凄いのが出てきた。どうしても同じようなパターンの作品になってしまいそうだが、テーマを守りつつバラエティに富んでいて感心する。
裏世界ピクニック1 ふたりの怪異探検ファイル – 宮澤伊織
「知ってる? 共犯者って、この世で最も親密な関係なんだって」
「ネット怪談×異世界探険」と題したSFサバイバルホラーだが、異世界を探検する女性コンビの百合描写にも力が入っている。コミュ障人見知り主人公の空魚(そらを)が相棒の鳥子へ送る湿度の高い視線、依存・執着を一人称でじっくり書くのが素晴らしい。根暗はやっぱりこうでなくっちゃ!
あの娘にキスと白百合を 全10巻 – 缶乃
学園を舞台にした、巻ごとに主人公が変わるオムニバス作品。恋愛を扱った作品って長く続けるべきじゃないなというのが私の持論であるが、この作品は「くっついたあのカップルの先を見たい」という願望が後続の巻でちょくちょくフォローされるので、オムニバス形式をかなり上手く利用していて感心する。
麻衣の虫ぐらし – 雨がっぱ少女群 全2巻
百合目当てで読んだのだが農業ネタが面白くて結局そっちメインで読んだ。「虫ぐらし」というか「害虫駆除と切っても切れない農業ぐらし」の方が実際の内容に近い。
社会人百合作品でもあるのだが、大抵OLと在宅勤務者が出てくるこのジャンルで農業という特定の職業テーマで仕事の内容に強くフォーカスしているという意味で結構珍しい。虫が出てくるからという理由で読まず嫌いするのは非常にもったいない作品である。
SFマガジン 2019年2月号 (百合特集)
早川書房のSF専門雑誌SFマガジンが百合特集をしたら想定以上に売れに売れ、発売前に売り切れて新しく刷ってもまた秒速で売り切れを繰り返す異例の事態となった。
やがて君になる 公式コミックアンソロジー
人気百合漫画『やがて君になる』の公式アンソロジー。市場の小さい百合作品でありながら異例のヒットを飛ばした本作品、アニメ版がファンの不安を覆す高品質、スピンオフ小説(記事)に業界定番の作家を連れてきて、このアンソロジーでも有名作家をゾロゾロ揃えて、電撃も作品を大事にしていることがビンビンに伝わってくる。