機動戦士ガンダム 逆襲のシャア (映画版)

ララァ・スンは私の母になってくれるかも知れなかった女性だ!そのララァを殺したお前に言えたことか!

1988年放映、通称「逆シャア」。初代から続くアムロとシャアの因縁が集結する完結編という立場の作品のはずだがなんじゃこりゃというか、この締まらない終わり方だったからこそガンダムというIPは続いていったんだろうな、と考えてしまう。

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宇宙世紀0093年、行方不明となっていたシャア・アズナブルはネオ・ジオンを再興し、地球連邦政府に宣戦を布告した。隕石落としを実行に移したネオ・ジオン軍に対して、ブライト・ノアが指揮するロンド・ベル隊は孤立無援の戦いを強いられる。そこには、シャアのライバルであるアムロ・レイの姿があった。しかし、彼らの善戦も空しく、5thルナは地球へ落下していく。
シャアの動向に脅威を感じたアムロは、サイコフレームを組み込んだMS、νガンダムを受け取るため、開発主任のチェーン・アギが待つ月へと向かった。
その頃、ブライトの息子ハサウェイ・ノアは、宇宙に上がる途中でクェス・パラヤに出会い、彼女に惹かれる。 - サンライズ

視聴済み作品。劇場版『閃光のハサウェイ』放映のプロモーションとしてYouTubeで無料公開していたので視聴した。Netflix対象の作品なので実はいつでも観られたのであるが、まぁ縁起物みたいなもので。YouTubeで観るとああいう感じでCM入ってくるんだな。普段あんまり見ないから新鮮だ。

今見ても映像の方が凄い。画面見続けるだけで富野由悠季監督の映像の構成能力が高いんだと分かる。開始早々戦闘シーンから始まる冒頭10分くらいに氏の味が詰まっているように思える。開始早々戦闘状態でフィフスルナ落とし前提の会話がバンバン出てきて、○○が××って……□□でしょう!みたいな会話で説明するのが面白い。こりゃ初見で分かるの難しいな……ってなる。みんなポカーン状態だったGレコはそれほど特異でも無かったんだな。

ラストのアクシズ戻しは一見感動的に見えるが色々と「迷」シーンである。なんというか全体的にサイコフレームに操られている感がある。あれだけ非協力的だった連邦軍が「ロンド・ベルだけにいい思いはさせませんよ」とか言い出すけど、そもそもお前らがちゃんとしてれば物量的にネオ・ジオン楽勝で倒せただろ感が酷い。ネオ・ジオン兵まで「地球が駄目になるかならないかなんだ。やってみる価値ありますぜ」って参加し始めるが、お前らがアクシズ落としたんだろうが。そもそもこの人達会話できてるのサイコフレームのせいだったりしない……?

この辺のシーンは有名すぎてほぼ全部定型文になってる有名な台詞しか無い。アムロとシャアの最期の会話はもう全部聞いたことのある台詞で聞いてると謎の笑いが浮かんでしまう。30年以上ネタにされ続けた、ララァに母親になってくれるかもしれなかった発言は何度聞いても印象的だ。それに続くアムロの台詞が「お母さん…? ララァが?うわっ!」って、日本一有名なロボットアニメシリーズ初代主人公の最期の台詞か、これが……?ここで「ニュータイプによる人類の変革がなんとかかんとか」みたいな話しておけば、シリーズ完結編としてなんとか締まりができたと思うのだが、「それにしちゃ、クェスに冷たかったよな?え~っ!?」みたいなこと言ってグダつくのが凄い。

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でもさぁ、シャアがここでアムロに甘えてるの感慨深いんだよなぁ。本作でクェスに「ナナイは酷いな」って言う一方、ナナイには「クェスは叱っておくよ」って言ってて酷すぎて笑っちゃうんだけど、こいつって本当に「求められてる役割に沿って動いてしまう」し、一方でそのことを凄い気にしている。そういう資質が終始自身を翻弄した人生だったんだけど、唯一アムロにだけは決戦を通して剥き出しの本音を曝け出し情けないところを見せるのである。この人物描写の流れは本当に素晴らしいし、二人の決着で「ニュータイプと宇宙世紀の未来」よりも、この切り込み方をしたお禿はマジで凄い。

……とは言うものの、やっぱり放映当時あんまり評判良くなかった(というかポカーンな感じだった)らしい。まぁ気持ちは分かるというか……。期待されていたアムロとシャアの決着って終わり方じゃ無いもんな。それどころじゃねぇよって感じだし、ここからどうなったんだよ、え~っ!ってなる。Ζもそうなんだけど、なんかこういう締め方するんだよな。

このお話のラストでみんながこの光を見てUC0123のF91までの30年間平和だったというのが本来唯一の救いだった気がするのだが、時系列として本作がUC0093、0096にユニコーン、0097にナラティブ、0105に閃光のハサウェイと続いて全然平和でも何でも無い。そしてどんな希望を描いたとしても未来に待っているのはVガンダムなのである。救い無いなぁ……。

本作がこういう形で決着したことが未来に与えた影響はガンダム史にもアニメ史にも大きかったと思う(特にVガンダムが無いと、エヴァが産まれていないというあたり)。アムロに子供が居るのが製作委員会からの要望でNGにならなければ順当に子供世代の話になっていたはずで、その場合どうなってたのだろうか。全然想像がつかない。

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