ハート・ロッカー

2004年のイラク・バグダットを舞台にした戦争映画。爆発物処理班という特殊な業務に従事するチームの活躍を描く。

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監督のキャスリン・ビグローを調べたら2013年のゼロ・ダーク・サーティの監督でもあった。こちらはビン・ラディン暗殺を扱った映画で、オバマ政権の第2期をかけた選挙の際に「ビン・ラディン暗殺を成功させたバラク・オバマ」を主張する内容で放映された作品である。要するにプロパガンダだ。

これを知ったうえで見ているので「まぁ、あんまり鵜呑みにしちゃいけないよな」という保険をかけた視聴であったとはいえる。本当は作品に没入するべきなのだろうが、この辺は戦争映画全般に共通して持っていなければならないリテラシーだろう。

爆弾処理班を主役にしていることからも分かる通り、派手なアクションを主体にした映画ではない。もはや現在ではおなじみとなってしまった感があるが、どこに潜んでいるか分からない一見すると地元の民間人にも見えるような相手と戦う近代的な戦争の話である。

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内容も暗い。爆発物処理のエキスパートが主人公であるが、それでも作中では何度も挫折や失敗を繰り返す。であるにも拘らず、現地従事義務の期間が終了して平和なアメリカに帰れたのに、再び主人公はHurt Locker(棺桶)に戻ってくる。

これをどう解釈してよいか難しい。平和な生活よりも戦場に対して麻薬的な中毒を持ってしまったという描写であるわけだが、なんといっていいものか……。爆弾解体のプロたちという部分に注視した内容であれば個人的にはそれでよかったのだが……。

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