マーベルのクロスオーバー企画マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の13作目でこの作品からシーズン3が始まる。この映画を見るためにMCU作品を飛ばし飛ばしではあるものの見てきたわけだが、予習した甲斐が有ったなぁと思うくらい面白かった。
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この作品は(MCUでの)キャプテン・アメリカシリーズの3作目でもある。大体シリーズ3作目ってあんまり面白くない印象があるが、この作品は見事にその法則を崩してくれた。といっても登場人物が凄い多いので事実上アベンジャーズ3(2.5かな?)みたいなお話である。
世界の危機と戦うアベンジャーズがラゴスでの戦闘において民間人の被害を出す。この事件をきっかけに世界はヒーローを国連の管理下に置くソコヴィア協定を立案。これの可否についてアベンジャーズのメンバーが二分される、という話。
前作のメンバー集合回だったエイジ・オブ・ウルトロンはシンプルなストーリーに戦ってばっかりであんまり個人的に評価は高くなかったのだが、今作はガッチガチの大人向けストーリーでかつ戦闘描写も前作並みにある。新キャラも加わって大所帯になったが、かなり多めのキャラにちゃんと全員見せ場が用意されている。
スパイダーマンとブラックパンサーは「集合回で脇役として登場して、後で単独作品に出る」というDC映画的な手法での登場になったが、超有名キャラの前者はともかく大抵の人が知らない後者がもう十分なくらいメインキャラとしてたってるのも凄い。暗くなる一方に終始しがちな話に陽気なキャラクター描写でバランスも取っていて、よくこんなの作れたなと感心する。
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大抵の人がそうであるように私もアイアンマンとキャプテン・アメリカが和解する展開になると思っていた。ところが実際にはアイアンマンチーム対他全員みたいな分布になってしまい、決別する形で終了した。
敵キャラであるジモが特殊な能力をなんら持っていない普通の人間であり、物理的な力ではなく社会的に機能不全を起こさせるという攻撃を仕掛けてくるところは興味深い。ウィンター・ソルジャー5人組と戦うかと思いきや(これ作品の中でも外でも完全にミスリードだった)、そんな力は使わずともアイアンマンとキャプテン・アメリカを戦わせ、アベンジャーズを壊滅状態に陥れることに成功する。キャプテン・アメリカが置いていった盾が本人に戻るときにアベンジャーズが復活するのだろうか。
なおこれが原作漫画で、映画試聴前に予習で読んだのだが、映画版とはかなり違う話だった。原作の方はキャラが多すぎてそもそも再現するのは無理な話だったのだが、映画は描写する範囲を狭めてキッチリ描かれているので、マーベルのバランス感覚はかなりのものだと感じる。たとえば原作の超人法がヒーロー全員を対象としているのに対し、映画のソコヴィア協定がアベンジャーズを対象にしている様子なのもこういう判断の上でのことだろう。
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