SQ 君の名前から始まる – 壇九(TANJIU)


微博(Weibo。Twitterが使えない中国におけるSNSで、しばしば中国版Twitterとされる)で大ヒットし、日本にも翻訳上陸した漫画。百合作品ということで紹介されて読んでみたが、主人公の女の子二人以外の(男性キャラを含んだ)キャラクターもしょっちゅう出てくるので、高校青春ものといった方が近いかも知れない。

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総天然色な少女たちの純愛物語。

活発な女子高生・孫景(スンジン)は、通学途中で見かけた隣校の美少女・秋瞳(チウトン)に一目ぼれ。何とか仲良くなろうと、ぎこちないながらもアプローチしてみるが…。
中国weiboで47億PV超の大人気作。オールカラーで完全翻訳出版。 - KADOKAWA

微博(ウェイボー)において47億PV、著者のフォロワー500万以上という、中国のスケールのデカさを物語る大ヒットを遂げた作品(こういう数字を見ると「凄い!」という感情より先に「グローバル企業が市場を手放したくないはずだよ……」と思う大人になってしまった)。奥付を見ると本国では2015年に出版されたようだ。こっちに来るまで5年か。

聞くところによると中国は同性愛の表現自体に規制を掛けるような状態らしいので、この作品が海を越えて隣の国にやってくるほどの人気が出るまでには相当な苦労があったと推察できる。不勉強な自分にはそういう国際的な部分、中国での百合文化事情に興味があるのだが、本書にはその辺の解説がない。中国百合文化の代表的作品と呼べる本作でそれやらなくてどうするんだ!と憤りたい気持ちもあるのだが、相手が中国だと『その辺の事情を説明する文章(≒現政権への批判)を入れるのなら規制が入る』みたいなことありそうで、なんとも言えないんだよなぁ……。

自分でも思ったより長い前置きになってしまったのだが本編の感想。やはりお隣の国と言うことで日本人に親しみやすいというか、日本風の絵柄でコミカルな描写も日本的である。ただし元々SNS掲載で縦読みで作成しているのでコマが全部四角で上から下に読む4コマ漫画のようなコマ割になっている。ちなみに全ページフルカラー。漫画を白黒で書いて作業工程減らしてるのって日本的な文化なんだろうか?

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内容はというと……なんというか思ったより主役の女の子二人に注視していないというか、周りにいる男の話とかが結構出てくるのが意外。中心にいる二人が百合関係にあるだけで高校生の青春ものって言った方が近い気がする。主人公の孫璟(スンジン)が男の中でも平然としていられる系女子だからこうなってるのかな。

巻き毛君ことチーファン君(漢字が常用漢字じゃないのでカタカナでしか書けない)がいっつも一緒にいるレギュラーキャラ過ぎて、作中でも周りの人の半分くらいはチーファン君とスンジンちゃんで付き合ってると思ってるんじゃないかな(スンジンちゃんがいなくなったら、みんなチーファン君に「どこ行ったの?」って聞くって……)。この辺の描写で「『セックス無しでも大事にしてくれる安全な男』かぁ、女性作者だなこりゃ……」みたいなひっかかりかたするタイプだとちょっと読んでて辛い気がする。スンジンちゃんに行くはずだった不幸がチーファン君に行ってそれがギャグオチみたいに終わる場面がいくつかあって、個人的にはそれで閉口することがあった。

1巻は『他校からやってきた不良がシマ荒しに来て去って行った!波乱の予感!』的な感じで終わる。やっぱり百合っていうよりスクールなんとかなジャンルな気がするなぁ。ところで中国ではこういう不良が乗り込んできて云々って今でもあるんだろうか。


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