2019年にWeb上に掲載された読み切り漫画の感想まとめ。ラインナップは以下の通り。
- 散田島子「 わすれてしまうわたしたち」
- 藤本タツキ「妹の姉」
クラスカースト上位のギャル、まりんちゃんの「聖ヌルヌル女学院お嬢様は恥辱倶楽部ハレンチミラクルライフ2」の黒江雫たんのコスプレを手伝うことになった主人公ごじょーくんの奮闘記。特に2巻のまりんちゃん完堕ち以降は読んでると絶対変な顔になるから人前で読まない方がいいですよ(真顔)。
本来のタイトルが「泣きながら百合セックスアンソロジー」だったらしく、すれ違い要素を求めると若干肩透かしを食らう。「体でつながっても心でつながれない百合アンソロジー」とかの方が良かったかも。当然ながら「百合はハッピーエンド主義!」な人は回れ右である(そんな人が手に取るとは思えないが……)。
小林立の美少女麻雀漫画「咲 -saki-」のスピンオフ。一応敵キャラでありながら、限界を超えて能力を使ってズタボロになりながらラスボスに挑むという主人公かよお前みたいな扱いだった怜とその相棒キャラである竜華の過去を描く。1巻と同時発売された本編16巻も半分くらい怜が中心だったし編集部の推しなんだろうか?
同タイトルの映画の原作であるが、色々と別物。死んだキャラクターがなんやかんやあって結局蘇る運命にあるアメコミ界において、スパイダーマンのベンおじさん、バットマンの二代目ロビン(ジェイソン・トッド)、そしてキャプテン・アメリカのバッキーの三人が長らく蘇らない三大キャラとされていた……のだが結局ベンおじさん以外の二人は今は元気に活躍している。そのうちの一人バッキーを蘇らせたのが本作。
2010年から2014年にかけて計14巻発行された新書館の百合アンソロジー。まだ百合の供給が少なかった時代に毎回400ページ前後の大ボリュームで発行され、界隈の中では現在でも高く評価されている。
一般紙に現れて圧倒的な評価を受けた百合界のスーパースター漫画。「百合だから評価された」というより「複雑な感情を扱う作品が、百合のフォーマットで出てきた」ことが色々な意味で重要なんじゃないだろうか。
かつての砂漠状態が信じられないくらい百合の供給が増え、百合アンソロジーも今年に入って10冊以上発行されるようになった昨今、多様化の為か凄いのが出てきた。どうしても同じようなパターンの作品になってしまいそうだが、テーマを守りつつバラエティに富んでいて感心する。
前半はブラックユーモア溢れる短編集、後半は一見無関係に思える前半にちりばめられた伏線が回収されるミステリ、という凝った作品。小説などではありそうだが漫画ではなかなか見られないタイプの構成で思わず唸る。