キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー – エド・ブルベイカー


同タイトルの映画の原作であるが、色々と別物。死んだキャラクターがなんやかんやあって結局蘇る運命にあるアメコミ界において、スパイダーマンのベンおじさん、バットマンの二代目ロビン(ジェイソン・トッド)、そしてキャプテン・アメリカのバッキーの三人が長らく蘇らない三大キャラとされていた……のだが結局ベンおじさん以外の二人は今は元気に活躍している。そのうちの一人バッキーを蘇らせたのが本作。

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長い歴史を持つ”キャプテン・アメリカ”のストーリーの中でも、秀作と謳われた『ウィンター・ソルジャー』。第二次世界大戦末期に死亡したと思われていたキャプテン・アメリカの相棒バッキーが、暗殺者”ウィンター・ソルジャー”として蘇った!? バッキーを生き返らせたこのストーリーは、コミックファンやコミック評論家の間で話題となり、ライターを担当したのエド・ブルベイカーは本作でとても高い評価を得ました。本書には、アベンジャーズのカギを握るニック・フリューリーやアイアンマン、さらには映画にも登場するレッドスカルや謎のコズミック・キューブなども出ており、映画を見る前には必読のコミックです! – ShoPro Comics

私はMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)から入ったという典型的なアメコミニュービーなのだが、MCUのイメージから入ると原作やっぱり凄い別物である。クリス・エヴァンス演ずる爽やかな青年ってイメージのキャップは原作ではシールドでニック・フューリーの指揮下で戦う厳格な軍人って感じだし、なにより兄貴分的な印象のバッキーがこっちでは完全に弟分なのはどうにも違和感がある(この作品ではキャップが20歳の時、16歳のバッキーに駐屯地で会った設定)。

おなじみの小冊子でキャプテンアメリカの来歴について語られていて初心者の私には色々為になる。おなじみの氷漬けになって発見って、一度出版が途切れちゃったキャップを、スタン・リーがアベンジャーズに再登場させるときに作った設定なのか。その後戦後のキャップの描写が矛盾するから、別人がコスチューム着て本人に成り代わってやっていたって設定を後から付けていったそうだ。どこかで「アメコミのキャラは時代が進むにつれてオリジンがその時代に合わせたものに変わっていくが、キャプテン・アメリカだけは第二次世界大戦と切り離せないので氷漬けの時間の延長で調整される」と聞いて、ほぉ……となったことがあるが合わせて感心だな。

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内容的にはスパイ映画的なサスペンスなのだが、思ったよりバッキーとの戦いが無い……というか直接の対決は最後しか無い。宿敵レッドスカルも序盤で殺されちゃうし、もう少し因縁のある戦いが欲しかったところだ。ようやくバッキーと対面した時点でもう残り10ページくらいしか無かったので予想はしていたが、本書ではバッキーの記憶が戻るが再び離ればなれに……というオチで終わる。原書は2004年から始まったキャプテン・アメリカのシリーズで本書は本国TP版の2冊分、つまりVol.1とVol.2の合本版みたいな内容なので邦訳されていないこの先の話で決着が付くんだろうなぁ。

TP2冊分なのでちょうど300ページもあるのだが、現代でのバッキーとの対決にもう少し尺割こうぜと思わないでも無い。作中で何度も振り返られる第二次大戦時代でキャップとバッキーのルーツ、オリジンがよく分かる構成になっているのは分かるんだけど、その割にそこに出てくる全身炎の奴(初代ヒューマントーチ)やなんか空飛んでる奴(ネイモア・ザ・サブマリナー)については特に説明が無いのがアメコミって感じだ……。


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