ダークウェブの教科書 匿名化ツールの実践 – Cheena


匿名性を保った通信が行われるダークウェブについての解説書。ダークウェブへのアクセス等に使うツールの具体的導入方法と、ダークウェブの歴史が主な内容。

著者のCheenaはかつてハセカラ界隈において0chiaki(ゼロチアキ)の名で行っていたクラッカー行為で逮捕された人物で、出所後にこの名前を使っている。

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インターネット上での匿名化から、匿名性の無効化まで、実践的な手法を解説。ダークウェブという深層世界で用いられているインターネットの隠れた最新技術をまとめた一冊! – データハウス

ウェブ上でトラッキングされたり、サービス同士の紐付け要求されたりするのが大嫌いな私であるが、そういうわけで以前からウェブ上における匿名性の高い振る舞いとはどのようにすべきか?ということに興味を持っていたので読んでみた。

感想を書く前に一応著者のCheenaについて軽く触れておきたい。冒頭に書いたとおりクラッカー行為で逮捕歴のある人物である。ランサムウェアをばらまいてウイルス作成ソフト保管での日本初の立件となったり、他にはクレジットカードの不正利用が理由で逮捕されている。詳細は「0chiaki」で検索を掛ければ詳しいサイトが見つかるので気になる方はそちらで。ここにそのリンクを載せる気にはならない。

教科書と銘打ったタイトル通り、実際にプログラムをインストールして使用するまでの説明に割いている部分も多く、その辺で飛ばして読むことが出来る部分が多い(例えば自分にはMac OSとLinuxでの解説は取りあえず必要ない)。そういうわけでその辺をある程度飛ばしていたら割とサクサク読めた。

私がダークウェブで一番気になっているのはリアル(クリアネットというべきなんだろうか?)との接点をどのように持つか、という部分だった。Torで匿名になっているのに他の理由から匿名が剥がれては意味が無い。

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なので本書に書かれている非合法な取引、BitCoinで売買した後どうしているのか気になる。ポルノは映像データの購入という形でウェブ上で行えると思うのだが、薬物関係等の売買はリアルでのやりとりが必ずあるわけで匿名性との調整をどうしてるんだろう?まぁその辺詳しく書いてしまうと犯罪教唆になってしまうから書くわけにも行かないんだろうけど。

逆に匿名を保ったままBitCoinを購入するのどうするんだろう?と思ったら途中にやり方が書いてあった。なお身分証明書を提示して取引所で購入したBitCoinもミキシングというサービスで匿名化できるらしいが、マネーロンダリングの疑いで常に監視されていることと他に匿名性の高い仮想通貨が出てきた為に需要は下がっているそうな。

本書でも若干触れられているが、ダークウェブの本質はVPNと同様に自由なウェブへのアクセスの保障にあると考えている。日本に住んでいるとあんまりそういう感覚が無い(ということは非常に幸せな状態であると言える)が、中国のように政府が国民にウェブ上の制限を掛けているような国ではそれが保障されない。「インターネットはインフラであり権利である」と言われて久しいが、匿名化は他の国では問題にならないウェブ上の行いで危険が及ぶ可能性のある弱者に持てる権利として機能しうる。

しかし残念ながら弱者への助け道に反社が寄ってくるのもリアルと同じであった。ダークウェブの歴史がまとめられた章があるが、出てくるのは非合法な取引のオンパレード。自由なネットって結局こんなもんなんだろうか。それにしてもダークウェブの歴史、色々なサイト・サービスが出てくるが「最大規模とされていた○○が閉鎖。代表は逮捕されて終身刑になりました」の連発で栄枯盛衰過ぎる。読んでいて思うのだが匿名化を損なった途端にお縄になるBitCoinってそんなに一杯持っててどうするんだろうか?

そういうわけで読んでみたものの、何に活用するのかなんとも言えない状況になってしまった。本文中で紹介されていたアドオンのDecentraleyesやPrivacy Passは使ったことがなかったので、この機会に普段使っているFirefoxに導入した……ってぐらいしか進展していない。いつ国に情報統制みたいなことやられるか分からないから、知っておくに越したことはないんだけれども。


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