2019年発行。主に日本政府の科学政策の失敗が大学や研究に悪影響を及ぼして悲惨な状態にあることをまとめ上げた功績で、2020年度の『科学ジャーナリスト賞』を受賞している。
「書籍」カテゴリーアーカイブ
Science Fictions あなたが知らない科学の真実 – スチュアート・リッチー
2020年発行。タイトルのイメージで疑似科学の本っぽさがある(「真実」って単語もう使いづらいよな……)が内容はむしろ逆。フェイクニュースはびこる現代で最期の拠り所となる科学の分野ですらその確からしさは数多の要素によって脅かされている、という内容の書籍である。
BIG THINGS どデカいことを成し遂げたヤツらはなにをしたのか? – ベント・フリウビヤ ダン・ガードナー
原題は「How Big Things Get Done」。誤解を誘う邦題が良くないけど、サンマーク出版か……。
内容は原題の通り、大きなプロジェクトはどのように成されたのか?成功するプロジェクトとそうでないプロジェクトはどのような違いで生まれているのか?という内容である。
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血と汗とピクセル – ジェイソン・シュライアー
私が差し出せるのは血と労苦と涙と汗だけだ。“I have nothing to offer but blood, toil, tears and sweat.”
(1940年5月13日 ウィンストン・チャーチル)
『大ヒットゲーム開発者たちの激戦記』という副題がまさしくふさわしい開発者たちの悲喜交々を書いている。著者のシュライアーはゲーム系メディアであるコタク(Kotaku)のニュース編集者で、方々に取材して得た生々しい現場の声を本書で明かしてくれる。
MARVEL 倒産から逆転No.1となった映画会社の知られざる秘密 – チャーリー・ウェッツェル
アメリカのコミックス企業でありビジネス上の紆余曲折を経て世界でもっとも成功した映画シリーズを作り上げたマーベル社を巡るビジネス書。コミックスのキャラクターについて掘り下げた書籍では無く一企業の来歴を書くビジネス書である為、マーベルが凋落していた時期の描写がもっとも興味深いと感じる。
封印作品の憂鬱 – 安藤健二
本サイトは本質的にはゴシップに溺れない善の心を持っているが、自分の意思では業界への下世話な興味をコントロールできない……。
『日本テレビ版ドラえもん』『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』『みずのまこと版涼宮ハルヒの憂鬱』の3作品について、関係者の悲喜交々を追うルポタージュ。サブカルチャーに対する取材をしている同作者から複数出ているシリーズで、本書はその3作目として2008年に刊行された。
ダークウェブの教科書 匿名化ツールの実践 – Cheena
匿名性を保った通信が行われるダークウェブについての解説書。ダークウェブへのアクセス等に使うツールの具体的導入方法と、ダークウェブの歴史が主な内容。
著者のCheenaはかつてハセカラ界隈において0chiaki(ゼロチアキ)の名で行っていたクラッカー行為で逮捕された人物で、出所後にこの名前を使っている。
ユリイカ2019年4月号 上遠野浩平特集
文学、思想などを広く扱う芸術総合誌ユリイカの2019年4月号で作家の上遠野浩平を特集している。20年前に発表されたデビュー作の「ブギーポップは笑わない」が、2019年初頭からアニメ化されたタイミングでの特集となる。多数の寄稿が掲載されており上遠野の対談も収録されている。
SFマガジン 2019年2月号 (百合特集)
早川書房のSF専門雑誌SFマガジンが百合特集をしたら想定以上に売れに売れ、発売前に売り切れて新しく刷ってもまた秒速で売り切れを繰り返す異例の事態となった。
観察力を磨く 名画読解 – エイミー ・E・ハーマン
不快な内容を伝える練習をするのに、アートに勝る教材はない。物議をかもす作品や、醜いものをテーマにした作品はいくらでもあるし、何よりアートは、鑑賞者ひとりひとりに対して平等に存在する。自発的に動いたり、返事をしたり、家までついてきたりしない。時間を超越していて、見る人の解釈にかかわらず、そこにある。 (p259)
観察力を磨くためのセミナー
を警察や大企業に行っている著者がそれを書籍化した作品。なおタイトルに名画とあるが訓練の題材として使っているだけで、本書は美術を専門とした本ではない。