2018年の雑感。振り返っただけで特に何かあるわけでもない。ほとんど記録の様なもの。
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SFマガジン 2019年2月号 (百合特集)
早川書房のSF専門雑誌SFマガジンが百合特集をしたら想定以上に売れに売れ、発売前に売り切れて新しく刷ってもまた秒速で売り切れを繰り返す異例の事態となった。
FLIP-FLAP – とよ田みのる
おそらく世界でただ一つのピンボールを題材にした漫画。ハイスコアを出すための孤独な戦いとなりそうな題材であるが、青春漫画的な作りからか明るい作風である。同じゲームを通じて人が集まるゲーセン文化を肯定的に描いているのも良い。
やがて君になる 公式コミックアンソロジー
人気百合漫画『やがて君になる』の公式アンソロジー。市場の小さい百合作品でありながら異例のヒットを飛ばした本作品、アニメ版がファンの不安を覆す高品質、スピンオフ小説(記事)に業界定番の作家を連れてきて、このアンソロジーでも有名作家をゾロゾロ揃えて、電撃も作品を大事にしていることがビンビンに伝わってくる。
やがて君になる 佐伯沙弥香について – 入間人間
告白なんてされたのは初めてだった。 なにを考えればいいのかも分からない。 ……そして、これからずっと先に、ふと振り返ると。 最初に告白してきたのが女の子だったのは、そういう運命の暗示だったのかもしれない。
人気百合漫画『やがて君になる』(記事)のスピンオフ小説。著者は『安達としまむら』シリーズの入間人間。
本編中において「もう絶対勝利させては貰えないサブポジション」でのたうち回る佐伯沙弥香先輩が主人公。本編読んでいると主役カップルよりもずっと心情描写に印象が残るキャラで、外伝で掘り下げするとなったら他には考えられないという人物でもある。スピンオフ作品は原作知ってるとなんか違うなという違和感が出ることも多いのだが、後書きで原作者が「あまりに紛れもない佐伯沙弥香」と書いているとおりでさすがと言うほか無い。
私の百合はお仕事です! – 未幡
『店員が少女漫画の様な振る舞いをして、客は百合を期待して見に来るというコンセプトの喫茶店』が舞台という「見世物としての百合が前提になっている」ありそうで見かけない設定の百合漫画。ここに普段から外面使ってる主人公がやってきて二重に裏表が絡むトリッキーな仕掛けになっている。
フォールアウト76 (Fallout 76)
デッドプール/パニシャー・キルズ・マーベルユニバース – カレン・バン, ガース・エニス
パニッシャーがマーベルヒーロー/ヴィランを全員殺していく問題作Punisher Kills the Marvel Universeと、そのオマージュでデッドプールが全員殺していくDeadpool Kills the Marvel Universeを収録。表紙は知名度の高いデッドプールのものになっているが、結構切ないエンディングのパニッシャーの方が好きかな。
観察力を磨く 名画読解 – エイミー ・E・ハーマン
不快な内容を伝える練習をするのに、アートに勝る教材はない。物議をかもす作品や、醜いものをテーマにした作品はいくらでもあるし、何よりアートは、鑑賞者ひとりひとりに対して平等に存在する。自発的に動いたり、返事をしたり、家までついてきたりしない。時間を超越していて、見る人の解釈にかかわらず、そこにある。 (p259)
観察力を磨くためのセミナー
を警察や大企業に行っている著者がそれを書籍化した作品。なおタイトルに名画とあるが訓練の題材として使っているだけで、本書は美術を専門とした本ではない。アストロシティ:ライフ・イン・ザ・ビッグシティ – カート・ビュシーク
漫画に与えられる賞としてはおそらく世界的に最も評価が高いアイズナー賞を受賞しているが、日本ではいまいち知名度が低い。アメコミには珍しい、既存のキャラクターがいないオリジナル設定の作品なのでそこが新規客にとって魅力だと思うのだが、有名なキャラがいないとなかなか難しいんだろうな。