イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密

第二次世界大戦時、英国情報局に所属しドイツ軍のエニグマ暗号の解読を行った天才数学者アラン・チューリングを主人公としたノンフィクション映画。

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1951年、ケンブリッジ大学教授アラン・チューリングの自宅に空き巣が入ることから物語が始まる。隣人の通報により警察が入るも、盗難の被害にあったはずのチューリングは「何も盗まれていない」と証言。その不可解な言動から警察は彼の調査をはじめ、その過程で彼が同性愛者であることを突き止める。同性愛は当時は猥褻罪と見なされた為、チューリングは事情聴取を受けることになるが、ここで彼の口からその半生が語られる。

一般にはチューリング・マシンの考案者としてコンピュータやプログラムの父として評価されている人物であるが、本作では暗号解読に従事した経歴を中心に描かれる。国が有事に際して才能のある人間を集めたのだから当たり前なのかもしれないがチューリングだけでなく、英国チェスチャンピオンのヒュー・アレグザンダーとか、この時代に女性でありながら活躍したジョーン・クラークとかが実在の人物なのも凄い。英国の英知総結集だったんだな。

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ノンフィクション映画ではあるものの当然というべきか脚色している部分もあるようだ。エニグマ解読の機械がBombeという名前だったのはおぼろげに知っていたので劇中でクリストファーと呼ばれていておやっと思ったが、実際にはポーランドから購入した計算機がBombeでこれを改良して暗号を解いたらしい。暗号解読もあんなに単純なものではないだろうけど、そこに尺を割くわけにもいかなかったんだろうな。

映画を見ているときにはあまり意識していなかったが、チューリングが同性愛者ゆえに不当な扱いを受けた悲劇を描いている為、実在のLGBTQの団体などがこれをきっかけに社会運動を行う流れが起きたらしい。機械計算の父としてのイメージを強く持っている私などからすると意外な評価である。

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