実在の数学者、ジョン・ナッシュの半生を扱った作品。
- ゲーム理論における功績(特にナッシュ均衡の証明が有名)で、ノーベル経済学賞を受賞した。
- 長期間にわたって統合失調症に苦しんだ。
という2点で有名な人物であるが、映画では主に後者の闘病生活を中心に描かれている。前者の部分に興味が行く私にとっては少し残念である。
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私はノンフィクション作品に関してはネタバレ上等で見る主義である。そういうわけで調べ物をしながら見ることも多いが、おかげで創作の部分が結構多いことも分かってしまった。以下の文章もネタバレである。
実際に統合失調症を患ったのは、アリシアと結婚してしばらくしてからの1958~1959年あたりで、それ以前は健常であったので、主にそのあたりで色々と矛盾が生じてしまっている。
中盤の展開のためにその「設定」を入れているわけだが、そのあたりを中心に批判があるようだ。統合失調症を利用した怒涛の展開の為に実在の人物を利用するなという批判があるのは、確かに仕方が無いように思える。(ただ、創作者としてそういう展開を描きたいという欲は良く理解できる)
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また(当たり前かもしれないが)後ろ暗いところも大体隠されている。アリシア以前に女性とまるでかかわりが無いかのように書かれているが、実際にはすでに別の女性とのあいだに子供がいたとか、男色で猥褻行為による逮捕経験があるといったことは全く触れられていない。
こんなことを書いてしまったが、終盤のカフェテリアのシーンは純粋にジーンときてしまった。ベタ極まりないと言われそうだが、ああいうシーンに弱いのであった。
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