通称「きたかわ」。第1巻の表紙を見た瞬間に「あれ?これ2~3巻あたりでこうなるよね?」「タイトルの『君』って多分さぁ……」って理解(ワカ)る人はもう全くその通りなので、こんな記事読んでないでレジ行ってください。
本記事(に限らず本サイトの記事)はネタバレ感想なのでご覧になる方はそのつもりで。
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瀬崎愛吏と花邑ひなこ。クラスではグループもカーストも違い接点のない二人だが、彼女たちには人には言えない秘密があった。それは、愛と打算と性癖に満ち溢れた少女たちの秘め事…… - 一迅社
いきなりなのだが、露悪的なキャラクターや展開が苦手である。その一方で「ヒエッ……」となる善人は大好物である。悪人ってまぁなんていうか結局ショボいというか、「アタマおかしいやろ……」てなるのはやっぱり善性の強いキャラなんだよね。
そういうわけで序盤の展開はあいちゃんとあいちゃん周りの友人なんかが露悪的だったので正直あんまり好みではなかったのだが「でもこの流れだといずれこうなるよね?」と期待しながら読んでいたら2~3巻でまさしくそうなったので、今、深く、深く、「そうだね、そうだね」と頷いているのであります。
本作はゲロ吐いてるひなちゃんにあいちゃんが悦に入る第1話で始まり、今度は第15話でゲロ吐いてるあいちゃんを見るひなちゃんの
大好きだよ…… わがままで傲慢で 自分勝手で でもそんなきたないあいちゃんが いちばん好き
でタイトルの『君』が誰なのか回収して、本番スタートするのであった。
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いやぁ、ひなちゃんは本当にイイよ……。あいちゃんがひなちゃんに向けていたのは打算的な感情だったけれど、ひなちゃんがあいちゃんに向けている感情はガチの愛情で、だからこそ震える。やっぱりさァ善人なんだって。怖ェのは。
ひなちゃんに「あいちゃんは君に酷いことをしてたんだよ?」っていくら言っても絶対に気持ちが覆せない。似たような現象にストックホルム症候群があって、あれは加害者のことを善人だと思い込むからそうなるんだけど、ひなちゃんはあいちゃんの打算さとか傲慢さとかぜ~んぶ理解している(あいちゃんが包帯したときに「あいちゃんが自分を傷つけるのはないだろうし…」って当然のように自己愛を見抜いてるの見て吹いた)。その上でこの感情に至っているからもう何を言っても無駄だ。
それを踏まえると、あいちゃんがひなちゃんに「捨てないで」って懇願するの見るともう笑ってしまう。捨てないで以前にひなちゃんがあいちゃんのこと逃がすわけ無いじゃん。「捨てて」って懇願した方がまだ未来有る。『進撃の巨人』のガビ山先生がライナーや町ヴァーさんにむける感情と同じ様なもんで、逆転したのも束の間、学校中に所業がバレて『芸術』になっちゃったあいちゃんの心を砕いて依存させて性行為を強要するンだから堪らない。ガビ山先生の例え書いて気付いたけど、あいちゃんは今の町山さん状態なんだなぁ。
あいちゃんという『芸術作品』を生み出した一連の展開自体は予想されていたというか、最初からこれができるように始められていると思われる。もっとシビアなことを言うのなら1巻の売上で2巻乙になるか、以降も連載が続くかが決まってそれを踏まえて展開が決まるので、連載続行できるとなって満を持して3巻ラストに関係が逆転する転換期のエピソ-ドを入れることになったのだと思う。
逆転の展開描く為には前振りとして逆転する前のエピソードに尺を割かなければならないんだけど、2巻乙の可能性がいくらでも有るイマドキの連載でなかなか難しい。最近の漫画で3巻まで展開固まらないのは結構遅いよね。だから第1話の時点でこの展開できるかなと心配していたのだが見れて本当に良かった。2巻乙の場合は最後の最後にオチとして入れる感じになってたんじゃないかな。
3巻表紙は百合という『カワいい女の子をウリとするジャンル』の作品とは思えないほど鬼気迫る絵で「こりゃ百合姫も日和らんで攻めて来たで」感ある。帯の「殺すぞ💓」にちんちん亭感あって笑ってしまう。ひなちゃんにすら「どこにも居場所なくなっちゃった」って言われてかわいいね💓
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