キミイロ少女 – 未幡

百合姫で「私の百合はお仕事です!」(記事)連載中の未幡先生のデビュー短編集完全版。「わたゆり」連載直前に百合姫に掲載され、完全版で本作に収録となった短編「青春は始まらない」(完全版表紙の二人が出てくる作品)が好き。

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未幡のデビュー短編集『キミイロ少女』の内容に加え、コミック百合姫にて大きな反響を呼んだ短編『青春は始まらない』を単行本初収録のほか、新規描き下ろしも多数収録。
少女たちの揺れる想いを、繊細なタッチで華麗に描く、『私の百合はお仕事です!』の未幡が贈る珠玉の学生百合の数々をお楽しみ下さい。 - 一迅社

通常版を既読なのだが、「青春は始まらない」目当てで読んだ。未幡先生の短編ではこれが一番好きだなぁ。私はノンケが無意識にガチを焚きつける描写が好きなのだが、モロそういう内容なのである。

のんちゃんのキャラが素晴らしい。柑奈ちゃんと二人になる為に策略しかけるわ、ファーストキスは無理やり奪うわでヤベえ。百合漫画のキスシーンで目にハイライト無いの初めて見た。

本書には書下ろしでその後の話が載っているが、滅茶セも止む無しなあのラストの5分後には奪われたと読者の誰もが思っていた柑奈ちゃんの貞操がまだ保たれていることに驚く。レズレイプを我慢できて、のんちゃんは偉いね!まぁその枷も外れましたっていうのがこの書下ろしなんですけどね。

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通常版にも収録されている話だと「一日白紙」と「唇に秘密を」が好き。

「一日白紙」は自分が空っぽだと感じている主人公が八方美人なクラス委員長と交流する話なのだが、全然恋愛にも至っていないのに百合感じられる話いいよね。余談だが、電話越しにいない扱いされたエピソードは実体験なんだそうで(あとがきより)、これはおつらい……。

「唇に秘密を」は片思いモノの学生百合なのだが、やっぱり片方ノンケなのいいなぁ。片思い先の女の子が「女の子に告白されたけど振った。やっぱり好きってめんどう」って発言してるの聞いて、主人公の子がボロボロ泣いて(ここで泣いたらばれる……!)みたいになるシーンで「あ”あ”~」ってなった。

本作の収録作品は「青春は始まらない」以外、新書館の百合アンソロジー「ひらり、」(記事)で掲載されたもの。作品群は新書館では単行本にならず結局一迅社から出たのだが、その辺の顛末をあとがきマンガで百合風に描いていて凄い笑った。笑っといてなんだけど色々あるんだな……。

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