アメリカ人たちは、門から五番目の建物に引きたてられた。一階建てのセメントブロックの直方体で、正面と裏側には大きなすべり戸があった。もともとは処理前の豚をまとめる小屋として建てられたものだが、それはいま百人のアメリカ兵捕虜が住まう異郷の家になろうとしていた。(中略)建物のドアには、大きな数字がある。数字は5であった。はいる許可を与えるまえに、英語を話すたったひとりの警備兵が、街なかで道に迷った場合の簡単な住所を教えた。住所は「シュラハトホーフフュンフ」。シュラハトホーフは食肉処理場、フュンフは古き良き5である
第二次世界大戦時にドレスデン爆撃を体験した著者が、過去にも未来にも精神が時間移動するというSF要素を加えて描写する半自伝的作品。一応戦争ものというジャンルでもあるが、死を描写するたびにうんざりするほど繰り返される「そういうものだ」("So it goes.")が象徴するように、悲壮的というよりどこか皮肉めいた雰囲気で語られる。
続きを読む スローターハウス5 – カート・ヴォネガット →
「オリジナルの1969年版から”ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”の名前を盗むというのは、土壇場で思いついたんだ」とアブネットは言う。「名前を盗むのは彼らの様な無法者の一団、海賊にも似たはみ出し者に相応しい行動でもある。また同時に”オリジナル”のガーディアンズに関わる物語の可能性も開かれる」 (p76)
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(記事 )に合わせてその一か月前に発売されているが、映画用の副読本というわけではない。アメコミはキャラクターの設定を一新したりクロスオーバーさせたりして何十年も使いまわしてきたわけだが、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(GotG)もまた誕生してからの数十年で色々あったということを各時代のイラストとともに振り返って解説してくれる豪華本。
続きを読む ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/コンプリート・ヒストリー – マーク・スメラク →
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)世界の重要アイテムであるインフィニティストーンの原作版となるインフィニティジェムが中心となるストーリーであるが、MCUが始まってから10年くらいたってようやく邦訳となった。
続きを読む インフィニティ・ガントレット – ジム・スターリン →
マーベルのヒーローであるブラックパンサーを主人公とした作品。メインの底本となっているのは2005年から開始したシリーズの1巻目『Who is the Black Panther?』で、更に最初はファンタスティック・フォーのゲストキャラとして登場したブラックパンサー初登場時のエピソードも収録されている。
続きを読む ブラックパンサー:暁の黒豹 – レジナルド・ハドリン →
SFマガジン創刊50周年記念ということでテーマ別に短篇集が作られた中で、時間に関するSFを集めた短篇集。いろんなパターンを収録しており、アニメやゲームでもおなじみとなった時間SFはとっくの昔にやりつくしていたんだなぁという印象を受ける。
続きを読む 時間SF傑作選 ここがウィネトカなら、きみはジュディ – 大森望 編 →
大ヒットしたスパイ映画、キングスマン(記事 )の続編。前作を見ていること前提の作りの映画だが、前作見ているとキャラクターの扱いに対して色々言いたくなる。でも成長したエグジーの活躍が見られてよかった。
続きを読む キングスマン:ゴールデン・サークル →
スパイ映画を現代風にブラッシュアップして、ノリノリで撮ったような映画。「英国王のスピーチ」で大人しい紳士のイメージがあるコリン・ファース演ずるハリーが、一見紳士なようでいて凄いアクションやるキャラで魅力的。
続きを読む キングスマン →
超有名スパイ映画の記念すべき第1作目。これだけ続いてるシリーズなんだからどんだけ凄いスパイ映画なんだろうか?と身構えると脳天気なバカ映画でズッコケであるが、初代ボンドのショーン・コネリーはこの時からいい味出してる。
続きを読む 007 ドクター・ノオ →
インデックス投資家にはおなじみのインデックスブロガー水瀬ケンイチ著。基本的にまったく知識の無い読者向けの書籍であるが、元々インデックス投資って必要となる知識が長年やっている人間でも初心者向けの範囲からたいして逸脱しない。なので知識のアップデートを兼ねて読んだ。
続きを読む お金は寝かせて増やしなさい – 水瀬ケンイチ →
SF小説のタイトルは秀逸で印象に残るものが多いが、個人的に好きなものを並べてみた。順位はつけず作者名(をカタカナで表したとき)の五十音順で掲載。なお私は国内のSFはあんまり読んでいないので全部海外SF。
続きを読む 秀逸なタイトル SF小説編 →
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