クリムゾンの迷宮 – 貴志祐介

角川ホラー文庫のレーベルで出ているが、ホラー要素はあまり強くない。完全にサバイバルものだった。何かでミステリと聞いた記憶があるが要素はあるもののミステリでもない気がする。

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貴志祐介作品は昔デビュー作の「黒い家」を読んで以来で二冊目。

Kindleは複数の人間がハイライトを付けた場所がわかるようになっているのだが、ミステリ要素があるとこういうところにハイライト付けられるんだなぁ、とかあれ?ここには付けないんだ?という全く予期していなかった楽しみをしてしまった。普段あんまりミステリを読まないのだが、この機能をONにしておくとネタバレになる作品があるのではないだろうか?

ただし、今回ハイライトが目立ったのはメンバーが揃った時の各人物の描写だったのだが、この作品は人物描写にほとんど意味がないんだよな……。わざわざつけた人はガッカリしてるんじゃないか?

先が気になってかなりの勢いでさ~っと読んでしまった。珍しく夢中になって読んだわけだが、オチがなんか煮え切らないというか大体の経緯はわかったもののこういうのでいいのかな、という感じである。なんというか、ゲームが起こった目的がこれだと、メンツに若い女が一人しかいないのは不自然だと思うのだが……。

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貴志祐介が美少女ゲーム(ギャルゲー)をやるオタであることはネットで知っていたので、その辺を落とし込んだことについてはなるほど……と思うところが無いでもない。この結末はまさしくトゥルーエンドである。

これが出たのは1999年だが調べてみたらkanonが出た年でもあった。そうなると発売当時に読んでいたら若干感想が違ったかもしれない。あの業界のうま味はライトノベル業界に丸ごと奪われてしまったので、今現在は小説にその要素があってもある意味全然不思議ではないなぁ……。

なおタイトルの元ネタと思われるロックバンド、キング・クリムゾンの要素は(読み落としていなければ)全然なかった。私はロックファンなのでちょっと期待していたのだが……。

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