2014年発行。聖書の小説化としてはウォルター・ワンゲリンの小説聖書が有名だが、本書は聖書ではなくキリスト教史を「ヤクザの抗争史」と見立てて小説化した歴史小説的な内容である。
続きを読む 仁義なきキリスト教史 – 架神恭介
「小説」カテゴリーアーカイブ
インスマスの影 クトゥルー神話傑作選 – H・P・ラヴクラフト
2019年発行。クトゥルー神話で知られるH・P・ラヴクラフトの代表的作品7作を収録している。ラヴクラフト作品の邦訳は大体古くなっているので、最新の翻訳で読めるのも魅力的だ。
バベル-17 – サミュエル・R・ディレイニー
「わたしはアム」で「あなたはアー」
1966年発行の長編SF小説で、1967年の第2回ネビュラ長編小説賞を『アルジャーノンに花束を』と共に受賞している。
プログラム言語「Ruby」の開発者まつもとゆきひろ氏は、本作を通じてプログラミングに興味を持ったらしい。
高校生のときに読んだ『バベル-17』(サミュエル・R・ディレーニイ著、ハヤカワ文庫)というSF小説が面白くて、プログラミング言語に興味を持ちました。「バベル-17」は、宇宙戦争における敵陣営の暗号の名前です。主人公の言語学者が暗号解読に取り組み、それが暗号ではなく言語だということに気づいて、敵陣営の攻略法を解明していくストーリーです。 - 日経プラス
冬物語 – タニス・リー
ファンタジー作家タニス・リーの中編2編で構成された書籍で、表題作の『冬物語』の主人公オアイーヴは、ゲーム『ロマンシングサガ2』に登場するオアイーヴの元ネタとされている。
それでリメイク作品の『ロマンシングサガ2 リベンジオブセブン』の発売をきっかけに読んでみたのだが、名前の元ネタと言うだけで各要素は特に似通っていない気がする。まぁ、そんなこともあるさ。
チク・タク – ジョン・スラデック
早川書房が毎年発行している『このSFが読みたい!』シリーズでベストSF2023年度の海外篇第1位に選ばれた作品。1953年刊行で半世紀以上も前の作品であるが、熱心に翻訳をした一般人によって邦訳されることになった、という変わった経緯での出版となる。
プロジェクト・ヘイル・メアリー – アンディ・ウィアー
2021年発表。『火星の人』『アルテミス(記事)』のアンディ・ウィアーの3作目となる。非常に平易な文体で読みやすくSF作品ならではの広大なスケールの話が読めるので、普段SF小説を読まない方にも勧められる。評判通りの超名作であった。
読了の際は、本作はいわゆるネタバレ厳禁作品であり、下記の感想はネタバレ全開のものであることを了承の上で読んでいただきたい。
パラドックス・メン – チャールズ・L・ハーネス
SF作家ブライアン・オールディスがワイドスクリーン・バロックと名付けたSFジャンルのまさしく代表作。1953年刊行だが日本では2019年になるまで邦訳されていなかったため、長く幻の名作のような扱いとされていた。
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン – 富野由悠季
1988年刊。劇場アニメ版と大筋は同じだが、製作委員会に難色を示された為に無くなってしまった「アムロとベルトーチカの子供」に由来する描写が最大の特徴。
処刑少女の生きる道(バージンロード)―そして、彼女は甦る― – 佐藤真登
これは、彼女が彼女を殺すための物語。
7年ぶりのGA文庫大賞であるという一方で、女性主人公で百合要素がある点でも一部から注目される作品。定番ファンタジー設定の裏をかいた独自の世界観と、その設定と切っても切れないメノウとアカリの独自で複雑な人間関係が読者を唸らせる。
アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー
世界初の百合SFアンソロジー。「女性同士の関係性」(注:恋愛とは限らない)という認識を元に、各作家が各々の個性をぶつける多様な9編が収録されている。