マーベル社のアメコミヒーローが同一世界観で活躍するシリーズ、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の16作目。トム・ホランド可愛い。
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ベルリンでのアベンジャーズ同士の戦いに参加し、キャプテン・アメリカのシールドを奪ったことに興奮するスパイダーマンこと15歳の高校生ピーター・パーカーは、ニューヨークに戻ったあとも、トニー・スタークからもらった特製スーツを駆使し、放課後の部活のノリで街を救う活動にいそしんでいた。そんなニューヨークの街に、トニー・スタークに恨みを抱く謎の敵バルチャーが出現。ヒーローとして認めてもらい、アベンジャーズの仲間入りをしたいピーターは、トニーの忠告を無視してひとりで戦いに挑むのだが……。 - 映画.com
MCUでの主役作品はこれが最初であるが、主役を務める実写映画自体は既にこれで6回目である。『アメイジング・スパイダーマン』シリーズの興行が思わしくなかったために、スパイダーマンの映画化権利を持つソニー・ピクチャーズが、MCUのディズニーと提携を取った結果このようになった。それで「ホームカミング」ってタイトルなのはなんだか皮肉である。
そういう経緯で始まった新シリーズであるが、めっちゃ可愛いトム・ホランドを中心に凄い明るい映画となった。ヒーローより高校生としてのピーター・パーカーの話が中心である……がスクールカーストとかの話で胸糞になりがちなこれもやっぱり明るい。「主人公をいじめる奴」という定番キャラであるフラッシュが明らかにアホで誰にも支持されていなくてビックリした。時代かな……。ヒーロー方面ではエレベーターを止めたり、船割ったりとアクション大盤振る舞い。失敗もするんだけど意外なことにアイアンマンが頼りになって助けてくれる。やらかし体質のトニー・スタークが保護者をやると知った時には「あんだけやっておいてどの面下げてえらそうにするんだ……?」と思っていたが、いい立ち回りしていたと思う。ハッピーもあんなに出番多いとは思わなかった。高校生としての悩みと、ヒーローとしての悩みを行ったり来たりする青春ストーリーである。
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なんとなくヴィランのキャラが弱いという印象だったMCUだが、今回のヴァルチャーは魅力的なキャラだ。悪いことやってはいるけど一番の理由は「家族の為」っていう。チタウリやウルトロンの技術を応用しているとはいえ、この人自体は特別な能力のない普通の人間なんだよな。しかも大きな組織のボスっていうわけでもない。大して強い立場にいるわけでもなく、状況の中で敵もまた努力しているっていうのは凄い好き。
多分チタウリの技術を利用しているマフィアとかってあの世界だとちらほらいてアベンジャーズはそういうのに慣れっこだろうから、ヴァルチャーと戦ったのがアイアンマンだったらなんなく倒してたんだろう(ヴァルチャーの空中戦が得意っていうアドバンテージはアイアンマンが簡単に上回るだろうから)。なので話の規模が大きくなっちゃったこのシリーズの中で、ヒーロー一年生であるピーターの相手としては相応しい。最終的にクイーンズという近隣を守ることを決めたピーターが戦う相手が、悪役にありがちな世界がどうたらっていう目的ではなく家族の為に戦うトゥームスっていうのは、「親愛なる隣人」というフレーズを象徴するスケールの戦いだよね。
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