マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)世界の重要アイテムであるインフィニティストーンの原作版となるインフィニティジェムが中心となるストーリーであるが、MCUが始まってから10年くらいたってようやく邦訳となった。
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土星の衛星タイタンで生まれた魔人サノスは、ついに6つのインフィニティ・ジェムを手中に収め、所有者に無限の力を与えるインフィニティ・ガントレットを作り上げた。多元宇宙における最強の存在と化した彼は、愛する「死」の心を射止めるため、全宇宙に死と破壊をもたらし始める。 その暴挙を止めるため、すべてのマーベル・ヒーローたちがその力を結集、サノスに立ち向かう! 全宇宙の存亡を賭けた善と悪の一大決戦がここに! - ShoPro Books
5月に(もはや「一応」というレベルではあるものの)これを底本とした『インフィニティ・ウォー』が公開となるので予習で読んだ。しかしせっかく邦訳版が出たというのに原語版を見たらKindleが550円という全然安い値段で手に入ることが分かり、英語ロクに読めないのに挑戦してしまった。英語で一冊読みとおすこと自体が初めてなのだが、なんでコレ選んじゃったのかと言いたいくらい読みづらい。人知を超えた存在コズミックビーイングが宇宙を捻じ曲げるほどの力をなんちゃらなんて話、母国語で読んでも分からないと思うんだが……。
インフィニティ・ガントレットの力によって全知全能状態となったサノスの野望を止める為にヒーローたちが立ち向かう話……では一応あるのだが、こんな最強みたいなキャラどうやって倒すんだって思ったらやっぱりというか頓智みたいな展開で戦うことになる。マーベルのヒーローが続々登場するのだがもう全然活躍しないというか、これ「アダム・ウォーロックVSサノス」の因縁の戦いにアメコミのヒーローが巻き込まれたみたいなもんだよな。メインになるのってシルバー・サーファーとドクター・ストレンジくらいか。陽動の為だけに全員ボコボコ殺されたあげく、その犠牲を賭して得たチャンスでシルバー・サーファーがヘマしたときの脱力感は半端じゃない。6話中の4話なんだからそれで勝つわきゃないとは分かってるけどさ……。
ただ見て良かったというか知って良かったと思うのは、存在は知っていたんだけどイマイチイメージのわかなかったコズミックビーイングの描写を見れたこと。Wikipediaとかの「とにかくこいつらは強いんです!」みたいな説明に「お、おう……」となっていたが、実際に漫画中に出てくるとどういう奴らなのかおぼろげに分かった。宇宙中に影響を及ぼすような人知を超えた力同士がぶつかり合う5話目は他ではなかなか見られない描写で面白かったが、そんな連中でも敗北して直立不動のお人形さんみたいになった時には「インフィニティ・ガントレットどんだけ強いんだよ」ってなったが。
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結局サノスを倒すというか、インフィニティ・ガントレットの入手がゴールになって争奪戦、それに勝利して完結する。序盤はデスの気を引くためにカリカリしまくっていたサノスが、最後には解脱したような許され状態になって終了。一見壮大に見える規模の戦いが、終わってみればサノス個人の精神にフォーカスする物語であった一面が分かって何とも言えない読後感である。
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