「表現の自由」の守り方 – 山田太郎

アニメ・漫画・ゲームの様なフィクション作品の表現問題に詳しい政治家である山田太郎の新書。創作に関する政治・法律に興味を持つ層からはすでにネット上で有名人である著者には、私も前から興味を持っていたのだが、ふと著作は無いのかと思って調べて見たら、割と最近に本を出していたので読んでみた。

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アルファ・ラルファ大通り (人類補完機構全短篇2) – コードウェイナー・スミス

SF作家、コードウェイナー・スミスの人類補完機構シリーズの全短編第2弾。一万年以上にわたる宇宙史を時系列上に掲載したマニア向けの原著を和訳したもので、本巻あたりから下級民の権利獲得と<人間の再発見>というシリーズで重要な要素がクローズアップされるようになる。

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ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日

邦題の副題の通り、トラと一緒に太平洋を漂流する話であるが、単純なサバイバルものというわけではない。また漂流はメインのストーリーではあるものの、そこに至るまでの主人公の人生にも尺を割いているし、見終わるとその部分が重要であることに気付くつくりになっている。

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紙の動物園 – ケン・リュウ

中国系アメリカ人であり、中国文化を背景にしたSF作品で注目を集める劉宇昆(リウ・ユークン、英名:ケン・リュウ)の日本オリジナルの短編集。表題作の「紙の動物園」はヒューゴー賞とネビュラ賞と世界幻想文学大賞という、SF・ファンタジーの代表的な3賞を同時受賞するという史上初の快挙を成し遂げた。

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20億の針(新訳版) – ハル・クレメント

「重力への挑戦(早川だと「重力の使命」)」などで有名なSF作家ハル・クレメントの長編デビュー作。

1950年作品で、帯の宣伝にもあるとおり漫画「寄生獣」や映画「ヒドゥン」の様な共生生命SFの原点となった作品である。新しく新訳版が出たので読んだ。

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