アイドルマスターシャイニーカラーズ(シャニマス)に登場する音楽・洋楽元ネタ

ブラウザ・アプリゲームの『アイドルマスターシャイニーカラーズ(通称シャニマス)』には洋楽に元ネタがある要素が時々登場する。元ネタの洋楽をまとめたSpotifyのリストを公開し、記事内で解説を書いた。

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Spotify Playlist - Foreign Music in THE IDOLM@STER SHINY COLORS

以前、作家の上遠野浩平(代表作『ブギーポップシリーズ』)作品に登場する洋楽元ネタをSpotifyの公開リストにまとめ、軽く解説する記事を書いたが、本稿はその姉妹記事となる。

Contents

概要

ソシャゲにあるまじきアレコレで知られるシャニマスであるが、以前から本作の中に出てくる洋楽要素が気になっていた。調べたところまとめている人がいないようなので結局自分でまとめた。

なんかこう……自分は洋楽(のロック)ファンだから洋楽に着目したけど、多岐の分野にわたって元ネタがあるからそれぞれ詳しい人まとめて欲しいなぁ。Wikiとかできないんだろうか。noteに書いたお気持ちは結構見るんだけどなぁ。

項目は実装が古い方から順番に並べた。

項目

(2018/06/20実装)【夕つ方まみみチック】田中摩美々

エンディングコミュ名の「Purple Haze」はジミヘンことジミ・ヘンドリックスの同名曲から。『ジョジョの奇妙な冒険』のフーゴのスタンドと同じ元ネタ。タイトルの紫煙(purple haze)は当時紫色のカプセルに入れて売られていたLSDを意味している。

田中と行ったら紫、紫と言ったらPurple Hazeと付けたくなるくらい有名な曲なのだが、サービス開始から約2ヶ月で早速実装されている。他にPurpleってつく洋楽だとプリンスのPurple Rainが有名だが、Rainに三峰のイメージが混じるから二人をメインにしたコミュで出てくるかも?余談ながら田中オリジンとも呼べる『パープル・ミラージュ』のトゥルーエンドコミュタイトルは堂々の『PURPLE』である。

(2019/04/24実装)【は~と♡に火をつけて】月岡恋鐘

ドアーズ(The Doors)のLight My Fire(邦題:ハートに火をつけて)から。

有識者がTwitterで解説してたので掲載。やっぱりオタク特有の長文は参考になるぜ……。

(2019/09/10実装)  日曜日のてぃん♪パン!あれっ☆霧子・冬優子ガシャ

これは少し変わったパターン。ガチャイベント名の「てぃん♪パン!あれっ☆」というなんかふざけた名前の部分はマンハッタンの一角を表すティン・パン・アレー(Tin Pan Alley)から。ブロードウェイミュージカルの音楽に関する会社が集まっており楽曲が流れている賑やかな場所だったため、錫(Tin)、鍋(Pan)、小路(Alley)の名前が付いた。なおこの地名が元ネタの日本のバンドもあるのでこちらも絡んでいるかもしれない。

このガシャでpSSRピックアップとなる『【菜・菜・輪・舞】幽谷 霧子』は霧子がケチャップのCMに出るという内容で、ガシャ演出ではオーブンが『てぃん♪』となったら『パン』を取り出して……「あれっ」はなんだろう……。まぁどうでもいいか、そんなこと……(思考放棄)。

(2019/09/20実装) 【水色感情】杜野凛世

なんと凛世なのに洋楽ネタである。思い出アピール名の『L'amour est bleu』は1967年に発表されたヨーロッパのヒット曲で、邦題は「恋はみずいろ」。ヒット曲なので英語にも翻訳されて「Love Is Blue」のタイトルで売り出されたのだが、仏語のbleuには英語のblueが持つ「憂鬱」の意味は無く、歌詞も全然違うものになった(失恋系の歌詞になった)のだとか。

(2019/09/30実装) ミルキィウェイ61 -世界と世界がまじわる夜に-

ボブ・ディランのアルバム名および表題曲の『追憶のハイウェイ61(Highway 61 Revisited)』から。タイトルの(米国国道)61号線はアメリカ南部のルイジアナ州ニューオーリンズから北部のミネソタ州ワイオミングまで南北に貫く高速道路であり、ロック史において複数のエピソードがある為にディランだけでなく他のアーティストにも歌われている。

ブルースの始祖の一人であるロバート・ジョンソンには「十字路で悪魔に魂を売り渡してギターのテクニックを得た」というロックファンには有名な逸話があるのだが、これが61号線と49号線の交差点とされている。私のようなロックファンは「ジョンソンのCrossroad Blues、それをリスペクトしたクリーム(Cream)のCrossroadsってそこかぁ~!」とテンションが上がるのだが

現在の2つのハイウェイの交差点は実はロバート・ジョンソンが生きていた時代のそれからは少なくとも800メートルも離れているのである。いずれにせよ、ロバート・ジョンソンが歌っていたのはあくまで架空の場所であり、実際のところそんな十字路は存在しないのだ。 - ブルース誕生の地、ハイウェイ61を訪ねて -  uDiscoverMusic

だそうな。たはは……。なんにせよサブタイトルの「世界と世界が”まじわる"夜」にはこの交差(Cross)が掛かっていると思われる。これ言いたいがために結構長々と書いてしまった……。

なお他のコミュ名でも元ネタがある。4話目の「ジャストライクキョンシーブルース」はJust Like Tom Thumb's Bluesから、最後のコミュ名「ローリンストーンのように」はライク・ア・ローリング・ストーン(Like a Rolling Stone)から。両方とも同アルバムに収録されている。

ちなみにLike a Rolling Stoneは「上流階級出身で調子こいてたけど落ちぶれちゃったね?今どんな気持ち?ねぇどんな気持ち?」って感じの歌詞なのだが、よくアイドル作品にこんなの採用したな!

(2019/10/31実装) Star n dew by me

ベン・E・キングのStand by Meから。「エンダナイッ!!」でお馴染みのあまりにも有名な曲なのに、タイトル少しひねってるからしばらく気づかなかった。これ実装されるときに映画の「スタンド・バイ・ミー」見た方が良いの?って話題になってた気がするのに。

映画の「スタンドバイミー」はスティーヴン・キングの「The Body」を原作としていて「少年たちが線路沿いに死体があるという噂を聞きつけて見に行く」といういわゆる青春映画。映画版のタイトルとテーマソング(?)になっているStand by Meは恋愛の曲なので内容とあんまり関係ない……と言いたいところなんだけど、「誰かの支えを必要とする悲壮さ」の表現として採用されている感じかなぁ。

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(それ以上に関係ない余談なんだけど、クリス(映画冒頭で主人公が訃報を聞くことになるキャラ)役のリバー・フェニックスが、映画「ジョーカー」等で知られる俳優ホアキン・フェニックスの実兄で、23歳のときに薬物の過剰摂取で亡くなっているっていうのを今知った……。マジで全然関係ないね)

まず2019/4/19にめぐるのPカード「チエルアルコは流星の」が実装され、ノックアウトされた「チエルアルコおじさん」を大量に生み出したのであるが、公式がこの反響を受け「そうか……めぐるのことみんなに上手く伝えられてなかったね。じゃあもう一回殴るね」と、約半年後にお出ししてきたのが本エピソードである。

実装前にTwitterで「めぐる×学校」になるとチラ見せしてきたもんだから、チエルアルコおじさんたちはもうその時点で戦慄していた(めぐると学校は混ぜるともう絶対なんか起こる)のだが、実装後に無事高波にさらわれていったのだった。めぐるは一見すごく明るい子のように見えてこういう要素をふと覗かせるから、そこに気づくと狂ってしまうんだよな。

(2019/11/30実装) 【フィドル・ファドル】田中摩美々

ルロイ・アンダーソンの楽曲からきている。洋楽というかオーケストラ曲で、ガシャイベント名も「冬のオーケストラは、君とガシャ」となっている。ルロイ・アンダーソンはThe Typewriterが有名で大抵の人は聴いたことがあるはず。

(2020/02/29実装) 薄桃色にこんがらがって

シャニマスファンたちを阿鼻叫喚の地獄に叩き落した屈指の名エピソード。ボブ・ディランのブルーにこんがらがって(Tangled in Blue)が元ネタ。Highway 61 Revisitedに続いて再びアルストでディランである。アルスト担当がファンなのだろうか?

ディランの曲は抽象的な歌詞で色々な解釈が発生することが多いのだが、本曲は主人公がディラン本人の物語で1966年に結婚し1977年に離婚することとなる元妻サラ・ラウンズとの関係を歌っているとの見方が一般的。

(2020/04/30実装)【海と太陽のプロメッサ】白瀬咲耶

「興味ダウンをかけておいて自分だけは興味無視」という性能で、Voトレイライトと共にグレフェスを荒らし回った環境破壊カード。2022年初頭以降の大吉環境になるまではグレフェス勢に色々言われまくっていたので、当時の悪評を咲耶が聴いたらショックで死ぬと思う。

本カードの洋楽ネタはタイトルやコミュ名ではなく、コミュ中に咲耶が口ずさんでいる曲。The PoliceのDe Do Do Do, De Da Da Da(邦題:ドゥドゥドゥ・デ・ダダダ )で3rdアルバムのZenyatta Mondatta(邦題:ゼニヤッタ・モンダッタ)に収録されている。

他作品では『ジョジョの奇妙な冒険』8部終盤で明負悟が出してくる岩昆虫のドゥードゥードゥー・デ・ダーダーダーは同じ元ネタ。アルバム名のゼニヤッタ・モンダッタも同7部のレース騎手名として登場する。あと『Ζガンダム』のヤザン・ゲーブルは本バンドのフロントマンだったスティングがモデルになっていて……人気バンドだから色々あるな。

(2020/06/30実装) 天塵

ノクチル初イベント。サブタイトルに英国のロックバンド、ザ・スミス(The Smith)のネタが入っている。オープニングの「ハウ・スーン・イズ・ナ→ウ」がHow Soon Is Now ?、エンディングの「ハング・ザ・ノクチル!」は曲名ではなくPanicという曲の歌詞にある「Hang the DJ」から。

まずザ・スミスは音楽番組『Top of the Pop』に出演した際、原則口パクというルールに反発しマイクの代わりに花束を振り回すパフォーマンスをしたことがある。つまり本イベントの内容自体にザ・スミスを元ネタにした部分があると言える。

引用が曲のタイトルではなく歌詞とは珍しいが、この曲Panicは1986年のチェルノブイリ原発事故が起きて世界が大変なことになっているのにいつも通りのヒットチャートを流すラジオDJへの批判として生まれた曲で、このフレーズはメインテーマともいえる。ちなみにこの曲は最後にHang the DJって30回くらい繰り返しながらフェードインして終わる。

ザ・スミスは屈折や皮肉を歌い、不満をため込んだイギリスの若者に熱狂的に支持されたバンドなのだが、我が道を行く(と劇中の視聴者には思われている)ノクチルというユニットに想起するところがあったのだろうか。

(2020/11/30実装)【モーニング・グロウリー?】西城樹里

休み時間の度昨日切った髪を見せにくるのってさ……じゃなかった、モーニング・グローリーはわざわざ『?』を付けてるんだから多分オアシス(OASIS)だよな……。アルバム名が『(What’s) The Story) Morning Glory ?』で、それに収録されている曲名が『Morning Glory』で……アルバムには『?』がついてて曲名の方には付いてないのってさ……なんでなんだ灯織?

ところでアタシのプロフィール趣味欄の「洋楽、ゲーム」ってさ……。意外だよな……。プロデュースで休暇申請するときは「見たい試合があるから」って言うんだけど、この欄にスポーツ鑑賞は入んないのかっつーか……。特技の「スポーツ全般、(中2までは)バスケ」ってさ……、高山はいつになったら(中2までは)の部分掘り下げるんだよ、灯織!

と思ってたけど、とうとうSTEPで描かれたぞ!ありがたいよなあ。でも実装から5年も引っ張ってるから、結構長い間「過去が意外に謎のキャラ」状態だったぞ!

ちなみにSTEPと同時に実装されたサポートカード「心に浮かぶもの」はSTEPの話と連動してるぜ!……って、こういうのマジで止めろって言ったよな高山!!!

余談

いちおう音楽ネタだから書いておくんだけど、西城樹里って名前はやっぱり西城秀樹ジュリー(沢田研二の愛称)から取ってるのかな……。

終わりに

色々挙げたけど細かいこと言いだすとキリがないくらいまだまだ埋まってそうだ。特に凛世は和歌のネタとかめっちゃあるんだろうなぁ(それを音楽に入れるべきかって話にもなるけど)。

「これ載ってないぞ?」「この説明も入れた方がいいんじゃない?」って方いたらTwitter(ながの@Twitter)とかで教えてもらえば調べます。

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