マーベル作品クロスオーバー企画であるマーベル・シネマティック・ユニバースとしては17作品目、マイティ・ソーシリーズとしては3作目にあたる。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの様なSFをやりながら、北欧神話由来のエピソードもこなし、コメディ調で明るい娯楽大作である。3部作でダントツ一番面白いが、3作目が一番って珍しいのではないだろうか。
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人工知能ウルトロンとアベンジャーズとの戦いから2年、アスガルドを追放された父オーディンを捜しにニューヨークへやってきたソーだったが、突如として現れた強大な敵ヘラによって宇宙の果ての惑星に飛ばされてしまう。その星で行われていた格闘大会に出場させられたソーは、対戦相手として盟友ハルクと再会。危機を乗り切った2人はヘラを倒すためアスガルドへ向かい、わけありの女戦士ヴァルキリー、そして宿敵であるロキも仲間に加え、チームを組んでヘラに挑むが……。 - 映画.com
放映前から、副題にせっかく北欧神話の有名なラグナロク(Ragnarok)を冠しているのに邦題でバトルロイヤルなんてタイトルを付けられた、ということで悪い意味で話題になっていた作品。元々ソーシリーズってあんまり人気無いしなぁ……と思いながら恐る恐る行って見たんだけど、笑いに比重を置いた娯楽コメディアクションになってて凄い面白かった!同じMCUのガーディアンズ・オブ・ギャラクシーみたいな感じである。
オーディン擬態発覚→Drストレンジ邂逅→オーディン消滅→ヘラ登場→ザカールに不時着まで滅茶苦茶スピーディですごいテンポ良い。キャラクターがみんな明るくなってて終始ギャグばっかりだし、ロキの裏切りももう「10分ぶり3回目」みたいな感覚になってて誰も動じてない。ロキはお兄ちゃんに喝破して欲しくてワザとやってんじゃないの?ってレベルである。
ソーって神話関連の話のはずなのにやってることは娯楽SFなんだよな……神話に関する話もっとやって欲しいな、と前から思っていたのだが、今回は一番GotGみたいな話なのにちゃんと北欧神話のラグナロクしててそれが凄い。最初の対スルト戦、「序盤に戦闘で盛り上げておくいつものパターンに結構重要なキャラが使われちゃったなぁ……」と正直思っていたのだが、立派に伏線というか前振りだった。ラグナロク(=アスガルド崩壊)を止める為にソーたちが戦う……!みたいな話だとばかり思っていたが、「ラグナロク使ってアスガルドの民を守るよ!」ってすごい斜め上の使い方だ。
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レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)の移民の歌(Immigrant Song)もこれ以上ないくらいハマっていた。バイキングの曲であるという知識を既に前提として知っていたので、「移民」という部分がバッチリはまっていることに逆に気付かなかった。この曲から逆算してストーリー作ったんじゃないかってくらいピッタリの曲選である。
ところでこれを機に久しぶりにImmigrant Songが収録されたLed Zeppelinの3rdアルバムLed Zeppelin IIIを棚から引っ張り出してきたのだが、歌詞カードを見たら
The whisper tales of Thor. Of how he'd come, in times of war. We are your overlords.
ささやかれたトールの物語 戦いの時に必ず現れた彼の物語 我々はおまえたちの大君主なり (大屋尚子訳)
ってあって「へぇ!歌詞にソー(トール)出てくるんだ!」ってなったんだけど、ネット上で歌詞を掲載しているサイト見るとサイトによって歌詞が色々と違ってThorがGore(血のり)になったりしてるんだよな。正しいのはどれなんだろうか。
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