ポーランドのSF小説家、スタニスワフ・レムの代表作「ソラリスの陽のもとに(1961年)」は2回映画化されている。
- 1972年、ソ連、アンドレイ・タルコフスキー監督
- 2002年、アメリカ、スティーブン・ソダーバーグ監督
今回見た映画は後者の方である。前者の方が(作品というよりは監督が)有名で、そちらの方を先に見たかったのだが、そちらは未見。なお原作のほうはずいぶん前に既読である。
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原作小説は海外SF界隈でオールタイムベストに挙げられるような有名作である。レムの作品は思想的で難解である為、映画化に向いているとは言い難い。原作には前書きがあり、以下のように書かれている。
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『ソラリス』は星の世界を目指す人類と未知の現象との出会いの一つのモデルケース(私は精密科学の用語を使っている)である。私はこの作品によって、宇宙には思いがけないことが待っていること、すべてを予見し、すべてを前もって計算に入れておくことは不可能であること、星の世界の『菓子』の味は実際にかじってみること以外に知る方法が無いことを語りたかったのである。実際に、宇宙では何がおこるか分からない。
スタニスワフ・レム ソラリスの陽のもとに ハヤカワ文庫版 26刷 p316
人間からは全く理解の叶わない惑星ソラリスが、衛星軌道上のステーションに調査で訪れたクルーの「近しい人間のコピーを作成する」という現象を起こす。それがコミュニケーションであるかどうかすらわからない。主人公らはそれに戸惑って……という内容である。
が、案の定主人公と亡くなった妻のエピソードが主となる内容であった。そうでないと映画にはできなかったんだろうなぁ。派手なSFXを期待してみる映画ではないので、知らないで見ると落胆するかもしれない。
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