2012年作品。「どうやって続編作るんだよこれ……」と色々な意味で言いたくなるような個性的作品の続編であるが、「よく作ったな……」と感心するくらい『ダンガンロンパ』の正統進化してる。
この記事に限らず本サイトはネタバレ有りの感想を書いているので未プレイの人であれば以下の本文は気をつけること。
Sponsored Link
青い空、白い雲…煌めく海、広がる砂浜。
リゾート地として有名な南の島・ジャバウォック島に修学旅行で訪れた希望ヶ峰学園の生徒達だったが、学園長の悪だくみによって島に閉じ込められてしまう。
島の脱出を条件に、生徒達はコロシアイ、そして犯人を探し出す学級裁判を強いられる。
ハイスピードでテンポよく展開する学級裁判は、捜査パートで集めた証言や証拠を弾丸としてトリガーにセットし、相手の主張の矛盾を打ち抜くことで進行していく。
渦巻く疑心。見えない狂気。極限状態のなか、進化した学級裁判が始まる。 - My Nintendo Store
前々からやろうやろうと思っていたがようやくプレイ。初代のアニメ版→ダンガンロンパ3(アニメ)→ダンガンロンパV3(記事)と見てきてこれだけ抜けていたのである(ま、初代アニメ版は原作やってる人からは散々叩かれてたから、見た内に入らないかも知れないが)。そういうわけだからプレイ前からほぼ内容知ってる状態で、何章目で誰が死ぬかとか最初から把握していた。そんなんで面白いの?って言う人も居そうだが、自分はネタバレ知ってからやるとか結構あるぞ。
余談ながら自分でもアホだなって思うのは、Steam版を何年も前に買って積んだ状態なのに、最近Xbox Game Passに来てようやくXbox Series Xでプレイしたってことだ。もう10年前の作品(知ってても「PSP……?」ってなる)で、今スマホ版とか有るんだよなぁ。
ネタバレ知ってても普通に楽しめた。実際やらないと分からないこと結構あるやね。一番面白いのはやっぱり狛枝と2-5裁判。正直「超高校級の○○」という才能が必要な事件少ないなぁ……となっていたたところに「最高にダンガンロンパしてる」事件が来て脱帽してしまった。「裏切者が誰か分からないけど、超高校級の幸運があるので当てられます」は本当に凄い。運が良いことを前提にしているトリックって後にも先にもこの作品でしか見られないと思う。このシリーズじゃないと成立しない狛枝という異質なキャラも、真相を知って「お前ホンマに死ね!!!」(←もう死んでる)ってなる運びも素晴らしい。
Sponsored Link
一番衝撃的なはずの最終章、ネタバレ知ってても「実は自分たちが絶望側だった」っていうのは5章目の狛枝の動機と連携している構成に素直に感心した。これ初見の人はロジカルダイブでスケートしながら「うあああああ!!!」ってなったのかな。あとカムクライズルの真相が結構唐突に出たと思ったが、調べたらこれシリーズを追っているファンからするとダンガンロンパゼロで前振りあったのね。
他には、偽のリーダーが「強制シャットダウン、強制シャットダウン」うるさいって聞いてたけど、言うほどでもないなみたいなこと考えてた。あと最終的に残ったメンバーがスゲえどうでもいい奴ばっかりって聞いてて、「確かに……」って思ってたが、これ最後の『一度折れるけど立ち直って正しい道へと進む』って展開やるにはこの辺のメンバーじゃないと難しいだろうなぁ。こういうときに折れない奴ほど自分の信条が原因で既に死んでるよね。
さてクリアすると七海が予想以上にヒロインしてたのに死んでしまったおかげで、ヒナナミロスどうすりゃいいんだよって感じである。ナエギリは良いよなぁ~ッ!(←心が荒んで配慮できない男)。クリアしてみると、ダンガンロンパ3絶望編放送時のファン達の気持ちがなんとなく分からんでもない。七海が実在したのが「えっ?実際に居たの?」ってなるし、メンバー生き返って他のカプファンが救われた感じなのにヒナナミだけ救われない。そもそも実在しなかったら救うも何も無いわけですが……。ところで詐欺師×けいおんちゃんに微妙にフラグが立ってて、「カプ名どうするんだこれ?『さぎみお』とかか?」って思ってたら「けいとん!」で鼻水吹いた。
本作は完全に飛び道具だった『ダンガンロンパ』の続編を作れという無茶な仕事だったと思うが、タイトルにスーパーと名前を付けるにふさわしい出来に仕上がったのが凄い。と同時に不幸だったというか期待にバッチリ応えてしまったが為に、更なる続編V3を作ることになってしまったのであった。あの作品が全身で放っている「もうこんなシリーズ作りたくない!!!」という魂の叫びは2の時点でも似たようなものだったであろう。「プレイヤーを裏切る」タイプのIPがよく3作品も続いたものだ……。
関連記事
Sponsored Link