日本で最も有名なRPGのひとつ『ファイナルファンタジー』シリーズで2Dドットで表現されていた1から6までを一斉にリマスターするピクセルリマスターシリーズの1作目。オリジナルの発売は1987年。
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新たなグラフィックとサウンドでよみがえる『ファイナルファンタジー』ピクセルリマスター。名作RPG『FF』シリーズの第1作目が、鮮やかな2Dグラフィックで生まれ変わりました。 オリジナル版の雰囲気や面白さをさらに高め、より遊びやすくなった不朽の物語を楽しめます。 - Steam
前置き
既にFCで出たオリジナルをプレイ済み。シリーズは1~7までクリア済み。今まで何回リメイク・リマスターを出したら分からないシリーズだが、今回1~6を一括でリマスターするということで、「SFC時代の作品には思い入れもあるしな~」と我慢出来ずに全部入りバンドルをSteamで購入した。
概要
スマートフォン版等のドットは個人的に線が細すぎるように見えて「なんかRPGツクール感が強くない?」って印象があったのだが、今作のドットはSFC時代のFFに親しみのある自分にとってかなり自然なグラフィックになっている。もっとも私が「ドットの様子が変なのだ……」と思っていたグラフィックだって、オリジナルの渋谷員子氏が打っていたのだが……。
なお、この手のリマスターの常として「フォントが滑らかすぎて浮く」現象が本作でも起きているのだが、Steam版ならMODでオリジナルに近いものに置き換えることが出来る。(参考:『FF ピクセルリマスター』海外でフォントをドットに変更するModが登場―よりレトロリマスターにふさわしいものに - Game Spark)
またゲームバランスに関しては、公式Q&Aでは
Q:オリジナル版からの移植クポ?
A:オリジナルとなるファミコン版、スーパーファミコン版をベースに、それぞれリニューアルしているよ。シナリオはそのままにゲームバランスをいい感じに調整してるんだ。過去の移植で追加された要素は入ってないものもあるけど、今回はギャラリー機能やサウンドプレイヤーとかが充実してるんだって! - SQUARE ENIX おしえて!ピクセルリマスターQ&A
とあるが、正確には「レベルアップ速度やダメージ計算式等をGBA・PSP版をベースにして、リメイクでの追加ダンジョンを削除し、MPの制度は回数制に戻した」が正しい説明になるようだ。
感想
ゲーム感はオリジナルのままというか、「これは昔のゲームだなぁ」と言う部分がしっかり残っている感じである。いまプレイすると逆に新鮮だ。
重要なアイテムをくれるキャラクターが町の中の普通のNPCみたいな装いで歩いているから、取りあえず町の人全員に話かける初回プレイじゃ無いと気付かないんじゃ無いかコレって人がいる。ロゼッタ石でルフェイン語教えてくれるウネとか、後のシリーズで名前に聞き覚えが無いと「メルモンドの町にいたアイツか」ってなるの結構大変じゃないかな。チャイムくれるルフェイン人とかも重要なのにめっちゃ普通のNPCである。余談だがルフェインの町に入って最初に会話できるルフェイン人が「飛空挺を作った昔のルフェイン人がシド」って教えてくれるけど、この設定最初からあったっけ?リメイクで付いたんだろうか。
他にも(本作では削られたリメイク要素を除けば)最強武器となるエクスカリバーの素材となるアダマンタイトも、専用のタイル用意してはいるもののめっちゃ普通に床に落ちているのも凄い。せめてボスが護ってるとかさぁ……。どうでもいいアイテムにイベントボスいたりするのに。
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ゲームバランス的には基本的にリソース管理ゲーであると感じる。潤沢に使っていったらガス欠必死の魔法をどれくらい使っていくのかを、消費アイテムの数その他と相談しながら進んでいく。FC版時代はいつ終わるとも知れないダンジョンで大分ストレス有った記憶があるが、本作ではなんとフィールドはおろかダンジョン内でも常時マップ機能(なんと未踏破でも部屋内以外は全部見える)が使えるし、中断もできるのでプレイングは大分変わっている。といっても「こりゃダメだ……引き返そう」は序盤は必然的に起きる。エルフの城あたりでやたら毒を食らいまくるのだが、ポイゾナは高いし毒消し足りないしで、なんじゃこのゲームってなった。
こんな状態なのに、神秘の鍵を手に入れたらまたダンジョン潜ってね!とか、バンパイア倒した後にもう一回行って更に奥に潜ってね!ってなるのがツラい。この辺は昔のゲームだなって感じだ。本作は昔の記憶より早めにクリアできるのだが、移動が大半のゲームにダッシュ機能がついて、斜めにも動ける(最初結構驚いた)ようになったから必然的にそうなるんだろう。
そんな感じだから、余波でボスは意外なほど弱い。たどり着くまでが苦行でそこから強かったら大変だもんな。西の城で戦うアストスが象徴的で、「この水晶の目と、お前達の持っているクラウンがあれば私は最強なのだ!」ばりのこと言ってて弱かったので「ええ……」ってなった。まぁピスコディーモン4人を倒せないからクラウン持ってなかったんだもんね……。普通クラウンの力で強くなって戦う場面なのに、手にすること無く殺されるのが大人の事情を感じる。本作は最終的にはヘイスト、ストライ、セーバー(巨人の小手で発動できる)を掛けたナイトの攻撃が他の攻撃と比べるのも馬鹿馬鹿しいダメージになるので、ボス戦はそれだけやってればよいような状態になる。
なので、ある程度進んで2000ギルするコテージ(フィールド上で全回復できる)が日常的に使えるとメインの課題のリソース問題が緩和して大分楽になる。また中盤くらいから魔術の杖(アイテムとして使うとファイラの効果)を黒魔道士に持たせるとコスト0の砲台になって凄い楽。あと白魔道士にいやしの杖(ヒールの効果)持たせて、残る二人は攻撃でオートを固定したら、後は大分消化試合状態になった。やっぱりコスト管理なんだよな。
パーティは戦士・黒魔術師・白魔術師・シーフの組み合わせでスタートし、無難of無難だと自分では思っていたのであるが、
キャラクターごとに戦闘時の前列・後列を設定する要素はないが,パーティの先頭(画面では上)に近いキャラは攻撃を食らいやすくなっている。そのため,先頭は戦士などの堅いジョブにするのが定番だ。 - ピクセルリマスター版「ファイナルファンタジー」プレイレポート 4gamer.net
これをもう終盤くらいの時に知って愕然とした。
ラスボスを倒した後のステータス。紙装甲の黒魔道士が2番目で、一番攻撃避けやすい忍者が一番後ろに居るぞ!黒魔術師のHP低すぎて特に序盤ですぐに死んだのだが、余計そうなってたんだな。
FF5のとき戦士系・魔法系・魔法系・戦士系の順番にして(だってほらレナはまぁ魔法系にするやん)、以降自分の中ではこの順番で定着しちゃったんだよなぁ……。キャラクターの順番の入れ替えは多分出来ないし、名前をABCDと1234になぞらえて付けているので交換できてもモヤモヤなんだよな。MOD使えばどうともなるんだろうけど。
クリア時間は15時間と表示されているが、ほったらかしたまま放置状態になっているのが2~3時間あると思うので実際には12~13時間くらいでクリアしていると思われる。
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