囚人となったヴィラン達が爆弾で脅されて汚い仕事(法律が守らない仕事ってこういうことになるの……と言いたくなるようなアマンダ・ウォーラープロデュースのクソ仕事)を強要される殺伐としたシリーズ。
映画『スーサイド・スクワッド』の原作本で、2011年のリランチThe New 52!で開始した作品の一つ『スーサイド・スクワッド』#1-#7を収録している。
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ハーレイ・クイン、デッドショット、エル・ディアブロ……ヒーローたちを相手に暴れ回ったDCコミックスのヴィランたちがチームを結成! 減刑と引き替えに、攻略不能、自殺行為同然のミッションに挑むハメになった彼らの運命は? 実写映画作品の公開が来年に迫り、ますます注目があつまる話題作が、ついに邦訳化! - Amazon
映画(記事)の方を見た後読もうかなと思いつつ忘れ去った作品なのだが、先日『デスストローク』(記事)を読んでスーサイド・スクワッドの話が出てきて「そういえば読んでなかったな」となって、なんか安いし読んでみた。
いきなり余談だが、目次のサブタイトルはロックソングの曲名から取っているようだ。本書のサブタイトルKicked in the Teethは第1話のサブタイトルでもあるのだが、AC/DCの同名の曲から。
アメコミ映画化あるあるだがやっぱり映画版とは結構違う話だった。ヴィランにしては善性が強いボルテイク良いなと思っていたら#2のラストで早速殺されて「え~っ!?」ってなったあたりで全然雰囲気違うなって。かなり殺伐していて、映画版の評判が良くなかった理由の一つが「原作と比較してかなりヌルい」話になっていたことだったんだなぁと改めて感じた。その後ブーメランが即堕ち1話みたいにリタイアして(まぁこれは想定内)、ヨーヨーがホラーみたいに食われて「また居なくなったぞ!」と思ったら実は生きてて逆にヒエ~ッ!ってなった。こういう「実は生きてました」初めて見たぞ。
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こんな感じでヒーロー主体の話だとコレ出来ないよなぁみたいな殺伐さで、キャラクターがどんどん入れ替わっていく。そういうわけで「誰このヴィラン?知らない……」みたいなのも結構多いのだが、この作品で有名なヴィラン勢揃いしたら本編のヒーロー誰と戦ってるねん問題が起きるので、リランチで他のThe New 52!と整合性取ろうとしたら余計出せないか。
#5-#6でハーレイ・クインのオリジンを描いていて、ジョーカーかハーレイ・クインの単独誌でやったらいいのにと思ったのだが、内容的に本誌で良かったのかも知れない。本編が明るめの話でこれ挟んじゃうと内容の悲惨さが浮いちゃうから、こういう話出来るシリーズとしても重要なんだなこのシリーズ。
途中で『ジョーカーが死んでいる』って情報が出てきてハーレイがショックを受けるんだけど、読んでるこっち的には「バットマン大丈夫?スーパーヴィランになってDCユニバース崩壊させたりしてない?」みたいな別の心配してしまう。邦訳アメコミおなじみの解説リーフレットによると、The New 52のバットマンのほうで皮剥いだ経緯が描かれていてまぁ案の定というか生きているらしい。良かったですねぇDCユニバース。
#6の終盤のデスマスクをデットショットに被せるシーンが意味深に見えて「もしかして主人公が実は『自分をデッドショットと思い込んでいるジョーカー』って設定なのか……?」ってなったのであるが、特にそんなことはないらしい。#8-#13でバジリスクと戦うのが次の巻『バジリスク・ライジング』で、#14-#15は『ジョーカー:失われた絆(上)』で……って、またこういうクロスオーバーだかタイインだかしてるんかい。自分みたいなアメコミ素人が困るからやめーやと思うのだが、邦訳が出ていて追えるだけ大分マシだと思えるようにはなったなぁ……。
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