海外SFはオールタイムベストを大体読んだくらいの人間であるが、日本SFの作品は数えるほどしか手を出していない。いい機会なので読んでみたのだが、あんまり私には合わなかったかも……。
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神林長平といえば日本SF界の大御所である。どんくらいかと言えば、読書文化の風刺漫画である「バーナード嬢曰く。」では、SFファンのキャラにこの作者を元ネタにした神林という苗字が付けられている、というぐらいに代表的だ。
というわけでその作者の代表作であるシリーズの第一巻を読んでみたのだが……あんまり面白くないというか、これSF的には面白いのか?という疑問が産まれてしまった。
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そもそもスペースオペラが特に好きでないのにこれに手を出してしまったのが良くないのかもしれない。基本的にSF作品にはパラダイムシフトを、作中にも「読者である私自身にも」求めているのだが、そういうタイプの作品ではない……というか凄いライトノベル的なので驚いてしまった。普通にキャラクター小説である。ただし、1983年の作品なのでライトノベルという言葉もまだなかった時代だ。作中キャラが「ふむ」「フムン」ってしょっちゅう言うのだが当時流行ってたのだろうか?
これ第一巻だったはずなので(一応、先行して短編が一つあるらしい)、読者にとってキャラクターは初見のはずである。まだよく知らないキャラ達のドッペルゲンガー(という表現で良いか難しい。並行宇宙の同存在というべきか)がどんどん出てくるというのはずいぶん挑戦的な話のつくりというか、そのせいもあってあんまり理解できないまま終わってしまった。一般的(?)な日本SFファンとの感性の違いを感じるようで若干不安である。
調べてみるとこの作者の中ではかなり軽い作風のようだから、一緒に購入した戦闘妖精・雪風のほうに期待してみるかな……?
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私も読みましたが、全く同じ感想です。私も神林氏が人気作家なので「これは自分に合わないだけで、きっと他の人には面白いのだろう」と思ってました。
コメントありがとうございます。多分、戦闘妖精・雪風の方は硬派な作風でそのギャップみたいなところが受けてる理由なのかな、となんとなく思っているのですが、この記事から丸二年経過しているのに未だに雪風が読めていません……。大御所作家なので人気になった理由は必ずあるはずなんですけれども。