1996年放映のイギリス映画『トレインスポッティング』の続編。前作から約20年経っての放映だが作中でも20年間経過しており、中年になった彼らが再会して一騒動する痴話喧嘩ストーリー。
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かつて仲間たちを裏切って大金を持ち逃げしたマーク・レントンが、20年ぶりにオランダからスコットランドに戻ってくる。そこでは、パブを経営しながら売春や恐喝で荒稼ぎするシック・ボーイや家族に愛想を尽かされたスパッド、刑務所に服役中のベグビーら、当時の仲間たちが未だに悲惨な人生を送り続けていた。 - 映画.com
事前に前作を予習しておいて良かった。思っていたより完全に続編である。自分は直前に見ていたから前作設定の話もすんなり入ってきたが、20年以上前に見たっきりの人は思い出を引っ張り出しながらの視聴だったのではないだろうか。
まず長く生きられそうですらなかったメンバーが20年後も全員存命だったのも凄いが、別居状態とはいえ子供いたりするから驚く。こんな状況で家庭持とうとするかフツーと思ってしまうが、一方でオランダでまっとうに生きていたらしいマークだけ唯一子供がいないあたりがなにか生々しい。
前作で友人らから金を奪って逃亡したマークが母親の死を期に、その友人たちも住む故郷に帰ってくる。親の死があったとはいえ普通は戻ってこられないものだと思うが、信じられないことにサイモン(前作でシック・ボーイと呼ばれていた人物)に自ら会いに行ってしまう。
当然揉み合い殴り合いになるのだが、何故かそれが終わってしばらくすると同棲するわ一緒に仕事はじめるわで完全に元サヤ状態に。見ている側は困惑するのだが、一方でお互いを罵るような場面も多々あるのでさながら痴話喧嘩の様相である。
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つまらない真人間になるぜという前作ラストを迎えたマークも戻ってきてみれば悪い友達のサイモンにほだされたのか、盗みをしたり融資詐欺を行ったりやりたい放題。ところがその一方で家族も持てない人生であることへの劣等感はあるらしく、時折そういうことが現れるシーンがある。前作でも思ったけどこういうところがマークはなんか中途半端なんだよな。
しかし割と楽しくやっていた生活も、脱獄したベグビーによって壊される。エディンバラの警察はいったい何してるんだよと言いたくなるくらいフリー状態(普通、元妻と子供の家なんて最初に調べると思うのだが……)のベグビーが自分の入獄の原因となったマークを追いかけ、とうとう四人が20年ぶりに揃う。あんまり平和な再会とはいかなかったが、結局それぞれ自分の生活に戻っていったエンディングは、刹那的、退廃的な生き方をポップに描いて青春映画とされた前作より落ち着いた終わり方で良かったかな。
なお作中に出てくる金額がピンと来なかったので調べてみたが、公開日の2017年1月27日での1英ポンド=144.48円なので、そのときでの16000ポンドは約231万円、融資の話で出てきた10万ポンドは約1445万円である。前作の16000ポンドは意外に少額だなという印象だったが、今回の10万ポンドは本当に大金だったんだな。
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