2017年1月から個人型確定拠出年金(通称iDeCo(イデコ))という形で誰でも確定拠出年金を利用できるようになった。本書はその制度の紹介と利用方法を新書の形で簡潔にまとめたもので、インデックスファンド運用をする前提での使い方が書かれている。
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前から気になってはいたものの、なかなか動き出す気にならなかったiDeCo(イデコ)こと個人型確定拠出年金であるが、とうとう調べる気になってまずこの本から読むことにした。元々私はインデックスファンドとETFで全世界対象に投資をするという投資家の端くれなのだが、この本はそのインデックスファンド界隈で有名な著者のもので、基本的な考え方を既に理解していることもあって、(新書ということもあると思うが)近年まれに見るくらい凄いスピードで読み終わった。既知の分野の話だとこんなに読むの早くなるんだなぁ。
インデックスファンド以外の投資信託はクソという、知っている人間にとっては常識となっていることがこの本が初見の人だと分かりにくいかもしれない。ただしそういう認識の私でも、この著者が本書に限らず言っている
自分の運用全体で、国内外株式のインデックスファンドに5:5~4:6の割合にする
っていう配分には懐疑的である。世界中に投資をするにあたって①日本の株式は全世界の10%に満たない、②合計すると全部で10%ぐらいの新興国株式は先進国株式に対する連動が強いので分散投資の意味が薄い上にリスクばかりが高い、という条件を踏まえると、配分は日本:(日本を除く)先進国で1:9ぐらいになるはずなのだが……というのが私の考えである。この文章を書いている今はまさしく日本の株価が歴史に残るレベルで絶好調の時なのだが、それを踏まえてもなお日本株式を中心に置く気にはならない。
(著者が勤めている)楽天証券の確定拠出年金のラインナップを紹介する記事があるが、一覧を一瞥して「うん……?」ってなるくらい微妙だ。普通に投資信託として売ってるインデックスファンドをそのまま持ってきてくれればいいのに。「これに投資するくらいなら節税というメリットをもってしても確定拠出年金しない方がいいのでは……?」って気分になって来る。一応全商品を大まかに解説するのであるが、特定の数件を除いてほぼ全部ゴミであることを知っているとまともに読む気がしないのでサラ~っと流し読みしてしまった。著者自身もこの章の冒頭で「どうしても歯切れが悪くなるが……」みたいな前置きをしているが気持ちはよく分かる。
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(企業型DCに関わる未来が訪れ無さそうな)自分にはあまり関係が無いかもしれないが、移換に関する項目は初めて知って参考になった。自動移換が本気でシャレにならないくらい損だが企業型DCに関わってないと起きないから大丈夫そうかな。話を聞いていると企業型DCって「確定拠出年金のスタートは、これを利用して金融業界を動かさなければ制度自体を発足できなかった」だけで、個人型が十分に普及したら存在意義無いんじゃないかって気がする。選択肢が減るだけで市場の原理が有効に機能しないんじゃないかな。
読み終わって気づいたことがある。個人型確定拠出年金を始めないとなぁ、と思った理由の一つに「インデックス投資は早く始める方が良い」ということがあったのだが、よく考えると再投資が出来ないから複利の強みを生かせないんだな。まぁ再投資分もいけるよってなったら「配当金重視のファンドです!」みたいなのが出てくるの目に見えてるからその方がいいのか。
さて私の場合は、厚生年金のみで企業型DCや確定給付企業年金のない民間企業に勤めるサラリーマンで、国民年金第2号被保険者に該当し月額2万3000円(年間で27万6000円)まで利用できる。どうしようかなって話であるが
サラリーマン(国民年金第2号被保険者)の場合は、基礎年金番号に加えて加入資格があることの証明書が必要になる。「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」といって、この用紙は申込書類に同封して送られてくる。届いたら、勤め先に頼んで必要事項を記入してもらおう。内容は、その従業員が確かに加入資格を満たしていることを証明するだけの簡単な形式のものだ。
形式は簡単なものかもしれないが、会社に言うのヤだなぁ。といっても年末調整のときに個人年金保険料として申告したら会社にはバレるんだけれども。個人で確定申告したらいいじゃんとか言われそうだが、そんな極少数しかいない立場に立ったら絶対あれこれ言われるだろうしな。
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