人気アイドルIP「ラブライブ!」シリーズ作品で、1期(2021年Q3)、2期(2022Q3)、3期(2024Q4)と計3クールに渡って放送された。
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シリーズで初めて「主人公らが進級して後輩が入ってきて人数が増えていく」と言う要素を加えた作品であり、それまでのシリーズと差別化を図っている。それが上手くいったかはなんとも言えないが……。
作品紹介
私立結ヶ丘女子高等学校、
表参道と原宿と青山という3つの街のはざまにある新設校に初めての入学生がやってきた。歴史もない、先輩もいない、名前も全く知られていない、ないない尽くしの新設校で、
澁谷かのんを中心とした5人の少女たちは"スクールアイドル"と出会う。私、やっぱり歌が好き! 歌でなにかを……叶えたい!!
まだ小さな星たちの、大きな想いが重なっていく――。
全てが真っ白で、無限の可能性を持つ彼女たちとの「みんなで叶える物語」。
はばたけ!私たちのラブライブ! - 公式サイト
前置き
初代「ラブライブ!」をアニメでみてから歴代IPを見続けている人間であるが、大して熱心なファンというわけではない。昔から観ていると「シスプリの妹みたいなもんだった企画がこんなところに来てしまうなんて……」という気持ちがいまだに結構ある。
感想
1期
2021年Q3放映。思い返すと1期が一番「スーパースターらしい」時期だったと思う。結ヶ丘内に音楽科と普通科のヒエラルキーがあって普通科のメンバーが音楽科に反旗を翻すといった感じで、もっとも血の気が多かったというか。そんな感じだったので2期が始まった頃、「1期生は戦中世代、2期生は戦後世代」って言われてて死ぬほど笑ってしまった。
(ファンには申し訳ないが)かのんちゃんはどうしても最初のやさぐれてた時期が良かったって気持ちがある。復活した後を考えると「初期は本当にささくれてた時期なんだろうな」ってことが分かるし、ちぃちゃんがどう思ってたのかも推察できるんだけど。この辺が解決した後の主人公の動機づけに留学が滑り込んでしまった気がするんだよな。
3話までは本当に期待値もの凄く高かったんだよなぁ。今までと違うことをやってくれるという期待があった。この頃はちぃちゃんも、3話ラストの表情もあいまって「渡辺化するのか!?」って言われてたなぁ。しなかったどころかラブライブ幼馴染みメンバーで最強だったね。
恋ちゃん加入回が「悪い意味でラブライブの文法」の展開だったのでこの辺から明確に評判悪かった感じだ。何故か「敵役が仲間になる」という誰も求めていない展開を毎回やりたがるもんだから、もろにその影響を受けてしまった感じだ。恋ちゃん役の青山なぎさがライブのMCで苦言を言う流れになったり、本当に今までアイドルものIPでヒットさせてきた運営なのか首を傾げてしまう。
音楽科・普通科の設定も完全に死んでしまった感じで、トップの恋ちゃんが普通科の制服しか着ないから他の音楽科の子たちは音楽科の制服着づらいんじゃないの?ってなってしまう。2期最後のマルちゃんが普通科の制服着てたときにはマジでずっこけてしまったよ。君、設定上普通科やったら一番ダメな子でしょ!?
2期
2022年Q3放映。3部作の真ん中が良い評価されることはあんまり無いが、このシーズンの評判の悪さは群を抜いていると思う。
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「アイドルIPで事業を行う」という大人の事情がもっとも悪い方向に出た時期という感じか。出てくる楽曲とその楽曲に絡むシナリオが全然シナジーしていない辺りに一番それがでていたと思う。アイドルものコンテンツのシナリオってコンテクストの付与が一番の仕事だと思うんだけど、それがまずメタメタだった。
1期生と2期生のパフォーマンスに違いがあって~って問題を何回も(3回だっけ?)擦ってきたのはかなりウンザリした。毎期新入生が入ってくるというシリーズ初の展開ならではだとは思うが、何回もやることじゃないだろ……。そもそもダンスシーンでその辺の差を描写することなんてないんだし。(とは書いたものの、この後に出てきた別IPの「学園アイドルマスター」が「アイドルの技術が高いときと低いときのパフォーマンスの違い」を実際に3Dで表現してきたので驚愕した)
別の世代が同居するなんて色々話作れそうなものだが、実際には2期生メンバーの勧誘をやるのが全部かのんちゃんだったので、「澁谷かのんの教祖化」みたいなのが揶揄されるようになったのも止むなしの状況だった。後輩として懐いていたきな子が同期が入ってきた後は同期同士でつるむことが多くなるのとか、変なとこだけ凄いリアルなんだよな。
さて2期評判の極めつけがラストの澁谷かのん留学キャンセルである。ここまでに溜まってきたファンの不満がここで完全に爆発して、かなりの炎上を起こした。ラブライブ史上で最大の炎上はソシャゲで栞子とランジュが暴れ回っていた頃だと思うが、次点はこの辺だろう。1期の恋ちゃん周り同様のラブライブ特有の文法と、クリフハンガーで終わらせようとする大人の事情の合わせ技で最悪の終わり方になってしまった。
全体的に「「可愛い女の子たちが仲良くわちゃわちゃしている」ということが求められているという原点に立ち返ってほしい」感じだったな。クゥクゥが凄い理不尽な毒舌言うキャラになってて担当声優のLiyuuからも苦言言われていたり、四季ちゃんはミートゥーbotになってしまったり、とにかく散々だった。
3期
2024年Q4放映。2期が最悪の終わり方だったので色んな意味でどうなるのかと思われていたが、非常に意外なことに評判を巻き返して好評であった。
全般的に2期の反省が盛り込まれている。まず1期と2期の間が1年しか離れておらず「最初から続き物の企画とはいえ制作期間短すぎだろ」という懸念が実際にモロに炎上する結果に繋がったためか、2年以上の期間を空けている。他にも
- 2期でヘイトを買っていたマルガレーテが作中でも同じ状況になって報いを受けている描写を入れる。
- 加入キャラを2期から続投のマルガレーテと既存キャラの親族の冬鞠に抑えてキャラクターの馴染みの差を吸収している。
- 後輩とのパフォーマンス差の問題も、経験者と秀才キャラという設定で解決している。
こういう感じの工夫が見られる。
やっぱり1年間しか期間空けなかったの良くなかったよなぁ……。本来は「1年ごとにアニメやって、現実が3年間経過するとアニメでも3年間経過している」という計画だったのだと思う。流石に反応が酷すぎたので1年増やしたら反応が全然違ったわけで、この先のIPでも参考にして貰いたい。
終わりに
書いた文章を自分で文章を振り返ってみて、なんで観ているのか疑問に思ってしまうなぁ。特別推しが居るわけでもないし、どんな作品にもある程度以上踏み込まないようにしているので、ぶち切れている人たちはある意味で羨ましいと思える部分もある。私の書いてることって「株主総会の参加者の意見」みたいな奴だよな。
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