AKIRA (劇場版)

1988年公開。後世の創作に多大な影響を及ぼしたレジェンドアニメで、今見ても凄まじい作画をしていることが分かる。まぁ私は金田と鉄雄の関係に悶えていたところが大きかったりするんですが……。

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前置き

トムス・エンタテインメントがアニメ制作60周年を記念し、YouTubeにて1週間限定で無料放送された。こういうのいっつも出遅れる人間なんだけど、でも、まぁ、ほらなんだ、いつでも見れるんだよ、Netflixならね!(←オイ)

AV Watch - 「AKIRA」YouTubeで無料公開。12月6日23時59分まで

超有名作であるが、初見。よく言われる「お前がアキラだと思っている男が金田で、金田だと思っている男が鉄雄」というネタそのまんまみたいな意識の人間であった。超ウルトラ有名な「金田が真っ赤なバイクで急ブレーキ」のシーンが序盤も序盤で出てきて驚くという超ありきたりなムーブもばっちり体験したぞ。

余談ながら公開した1988年は「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」「となりのトトロ」が公開した年でもあるらしい。本作も狂ってるが、他もなかなか狂ってるな。

感想

以前、庵野秀明が(確かシン・エヴァのドキュメンタリーで)「構図が良ければ他が酷くても面白い絵になる」みたいなことを言っていたが、この映画構図が良くてかつ動きも凄いみたいなの多すぎ。構図は全部大友自身で絵コンテ描いているそうだ。こ、怖ァ~……。

アニメド素人だけど凄さは所々分かる。光とか水とかの照り返しみたいな表現「こんなの描いてたら死んじゃうでしょ」って思ってしばらく見てたら「あれっ?もう何十人も死んでない?」ってなった。成立させる労力に想像が及べば及ぶほど凄いより怖いって感想になるよな。

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喋っているシーンも全部動いているから「間」に当たるようなシーンが全然ないので独特なテンポを感じる。アニメには「作画が凄くないと出来ないテンポがある」というわけやね。なんか洋画っぽいなって感じるけど、プレスコ(声優の音声を先に収録して、それに合わせて作画する)でリップシンクが完全に出来ているという2024年現在の日本製アニメでもやっていないようなことをしているのも海外っぽい。

お話しは金田と鉄雄の関係にフォーカスを絞った話で、初見でもわかりやすい。分かたれた二人の男がぶつかる話、個人的に大好物なので良かった。ちなみに原作漫画はアキラの力や政治関連の話も絡んでくるのでもっと複雑らしい。

超能力が出てくる話なのに主人公の金田は完全な一般人で、それでも能力者に食らいついて中心になっているの凄いよね。超能力モノなんてフォロワーがいくらでも続いているけど、能力持っている鉄雄のポジションにフォーカスする話が基本でこういう方向性って続いていない気がする。

鉄雄は身内だから当然とばかりの金田の行動がなんか好き。自分の弟(弟じゃないけど)が余所に迷惑かけたから当然現場に行くし弟はシメる。鉄雄がコンプレックスになっているのが、この辺の兄貴的振る舞いが自然に出る器という……。終盤のガンギマリフィールドで「鉄雄が本当にしたかったのは金田とバイクで並走する(=対等に並び立つ)ことだった」って分かるの良いよね!僕も大好きだ!(ギトギトの笑顔)

終盤の「人類はもう別のステージへ進化を始めている」的な描写がよく分かんないって人が2024年現在だと結構いたらしく、時代を感じた。自分は海外SF小説のファンだから「いつものヤツ」って感じだけど、確かに当時のムーブメントかもね。ラストの別の宇宙に行く感じは個人的にはグレッグ・ベアの「ブラッド・ミュージック」を思い出した。

終わりに

「どこかで見ないとなぁ」「でも何なら原作履修してから見たいなぁ」とか自分から勝手にハードル上げてたけど「えいやっ」と見て良かった。当時の生き字引的な豆知識的な話してくれる人がわんさと出てくるタイミングがこれを逃したら他に無いもんなぁ。原作は……電子書籍化してないんだよな、これが。描き込み凄すぎて出来ないとからしい。

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