ハッカーの出てくる映画という情報だけで見たが、ストーリーがよく練られていてかなり面白かった。ハッカー映画としては正直あんまりなので、ミスリードやジョン・トラボルタを楽しむべき映画だ。
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個人的に導入がいい映画ってその後があんまり良くなくても許してしまう傾向があるが、この映画の導入は素晴らしい。映画の話をしているトラボルタのシーンから始まるが、彼が連れと共にそこから移動すると周りを機動隊に囲まれている。悠長にしていたが実は銀行強盗の真っ最中で、人質を取って悠然と進んでいく。警察に要求をしている最中、彼らが爆弾の仕掛けられた人質を、移動させると爆発すると知らずに助けたために暴発して周りを吹き飛ばす。そこから回想シーンという始まりかた。爆発のシーンは放映から14年後の今見ても迫力のある映像である。
ヒュー・ジャックマン(ウルヴァリンのコスプレが全然似合わないあのジャックマンである)演ずる、かつてはハッカーの帝王と呼ばれた主人公スタンリーに、裏社会の大物ガブリエル(ジョン・トラボルタ)が接触を図る。彼は、かつて米麻薬取締局(DEA)の「ソードフィッシュ作戦」で作られた囮捜査用の企業の有する数十億ドルの資産を、スタンリーの能力を利用して奪い取ろうとしていたのだ……という話。
世界一のハッカーというさすがに今はもう誰も使わない言葉が出てくる。2001年の映画だからか使用してるノートパソコンがDELL製でなんかそれだけで笑ってしまった。当時は確かにイケイケの会社だったが、世界一のハッカーがDELL使うんだろうか。あとこういう映画見てると思うのだが凄いハッカーならできる、みたいなことってそもそもあるんだろうか?妙にグラフィカルなワーム製作をはじめとしたハッキング描写は本職から見たら陳腐だろうなぁ。ちなみに作中でも引用されるWIRED誌に直々にこき下ろされている。
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ジョン・トラボルタって映画で見るのは初めてだった(存在はもちろん知っていたが)のだが、こんな魅力的な俳優だったのか……。いままで新興宗教のサイエントロジーの信者で教祖の書いたSF小説の映画作って主役を演じちゃうくらい熱心な痛い俳優みたいに思っていてゴメンね……。いや、それも事実ではあるんだけれどガブリエルの怪しい存在感というかオーラみたいなものは彼でないとなかなか出せないなぁ、と感じられて良かった。
そのトラボルタ演じるラスボスの目的が非合法な行いをもってしても米国を守る、という思想なのは面白い。アメコミのウォッチメンみたいである。冒頭シーンの「最近のアメリカの映画は糞だ」をはじめとして、メタフィクション的な要素が含まれているが、ハッピーエンドととれるかどうか判断が分かれそうなラストも興味深い。なにせ大物テロリストがどんどん死んでいって、うがった見方をしなければ平和に近づいている状態なのである……ま、「アメリカは」だけどね。
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