メルトダウン: 今語られるスリーマイル島原発事故

1979年3月28日に発生した『スリーマイル島原子力発電所事故』を題材にしたNetfllixオリジナルのドキュメンタリー番組。

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後半は関連会社の杜撰さや隠蔽に注視している印象があり、他の不祥事ドキュメンタリーとこの事件を大きく隔てている放射能被害の部分の掘り下げが足りないような印象を受けた。

概要

米国ペンシルベニア州スリーマイル島で発生した原子力発電所事故。当時の出来事を振り返り、事故後に持ち上がった疑惑や今なお尾を引くその影響を関係者が語る。 - Netflix

前置き

Netflixオリジナルドキュメンタリー、1エピソード45分くらいで全4話構成。Netflixとは全然関係無いところでチェルノブイリ原発事件について調べていたのだが、そこで関連作品としてなんとなく見た。

ちなみにチェルノブイリについてのドキュメンタリー見るなら2019年のHBO制作のドラマがかなり成功したらしく、なんならそれに対するNetflix版原発事故ドキュメンタリーがこれ、みたいな具合らしい。Amazon Prime VideoにあるけどPrime Video対象ではないので、まぁ取り敢えずこっちを。自分はなんかいっつもこういう順番の見方してるなぁ。

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感想

原子力の科学解説役でミチオ・カクが出てきて驚き。ひも理論で有名な一方で著作も多い人で昔何か読んだ気がするんだけど、こういう解説仕事もしてたんだなぁ(参考:Wikipedia - ミチオ・カク)。と、個人的には感心するものの、核物理の専門家を呼ぶならもっと他に呼ぶべき人が居るという評価で、科学の解説に乏しい印象のある本作を象徴する采配らしい。

EP2だか3当たりで「汚染は起きているのか?付近住民は避難すべきなのか?」みたいな話してると思ったら、なんかいつの間にか3年くらい年月が過ぎてて「えっ?」ってなった。その辺から異常稼働をした2号炉の調査を行おうとするが、その対応は杜撰で……みたいな事後の杜撰さみたいなのが中心の話となる。

運営していた会社も、原子力ビジネスを絶対に終わらせまいとして彼らとグルになるNRA(原子力規制委員会)もまぁクソだ。「本来は監視しなければならない立場なのに、そのビジネスが無くなれば自分たちの存在意義が失われるために規制どころか隠蔽や擁護のインセンティブが生まれる」っていう構造は本当にどうにかならないんだろうか。このバグみたいなの、色んな所でみるよなぁ。

そういうわけなんだけれど、実際に近隣住民の身体にどのような影響が及んだのか?科学的な影響以外にも、事故が起きた周辺の社会はどのような影響を受けるのか?といった点を40年以上経過した現在の視点から議論してほしかったと言う気持ちがある。「数十年のスパンで起きる影響は歴史から学ぶしかない」わけだし。

そんな感じで上で挙げたミチオ・カクの採用がピント外れてるんじゃないか問題と同様に、その辺も焦点の当て方が良くないんじゃないかなぁという印象を抱いた。

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