さがす (映画)

どんでん返しが連続する、考察しがいのある作品ということで見たのだが個人的には「う~ん」という感じであった。あんまり見ることのない邦画を物見遊山で見に行って、見当違いな感想を持ったのかも知れないけど。

ネタバレすると不味いタイプの作品なので、未視聴の方は以下の本文には進まないこと。

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大阪の下町で平穏に暮らす原田智と中学生の娘・楓。「お父ちゃんな、指名手配中の連続殺人犯見たんや。捕まえたら300万もらえるで」。いつもの冗談だと思い、相手にしない楓。しかし、その翌朝、智は煙のように姿を消す。
ひとり残された楓は孤独と不安を押し殺し、父をさがし始めるが、警察でも「大人の失踪は結末が決まっている」と相手にもされない。それでも必死に手掛かりを求めていくと、日雇い現場に父の名前があることを知る。「お父ちゃん!」だが、その声に振り向いたのはまったく知らない若い男だった。
失意に打ちひしがれる中、無造作に貼られた「連続殺人犯」の指名手配チラシを見る楓。そこには日雇い現場で振り向いた若い男の顔写真があった――。 - 公式サイト

先日Amazon Prime対象になったことで視聴者が増え話題になっていたのを見て自分も見ることになった。話が二転三転するという評判を聞くと、どうも見たくなるのである。久しぶりの邦画だったわけだが、間の取り方とかが独特に感じるなぁ。

評判通りの展開で色々考察のある作品だと思うのだが、個人的には「う~ん」となってしまった。主に山内のキャラクター付け周りに「うん……」となってしまったのだと思う。本作が「座間9人殺人事件」や「相模原障害者施設殺傷事件」などの現実に起きた複数の事件をモチーフにしているのは言うまでも無いことなのだが、それぞれの元ネタに準拠しすぎているというか、「それらを元に一人のキャラを作る」ことより現実とのリンクを優先する作りになっているというか……。

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結果的に出来上がった山内のキャラクターが『もうウンザリするほど見た、よくあるサイコパス殺人鬼』になっているのが「う~ん」ってなる。本サイトで何回か書いているのだが私は悪人・悪役にあんまり興味無い人間で、もしこれが『本当に救済になると考えていて実行している、己にポリシーのある人間』なら魅力的だと感じたのではないかな。でも「本当に死にたい奴なんて誰もいなかった」って言っちゃうんだよなぁ……。殺人鬼を美化しない為という理由もあるにはあると思うが、この台詞は「座間9人殺人事件」の犯人である白石隆浩の発言を持ってきているもので、すなわち現実社会の投影をすると(やり方にもよるんだろうけど)こうなるんだな。なんかこう、己の信念、ポリシーを持ったヤツって現実には居ないなぁ……。

リアル寄りの作風だと思うが、それだけにリアリティラインで気になるところもある。『体が自由に動かない患者の自殺』の偽装はそれで本当に出来てる?とか、SNSでの依頼者募集を他人である智(原田・父)にアウトソーシングするのは分業効率とリスクが見合ってる?とか。Twitterに普通にアクセスしている件については……、まぁTwitterはその辺の管理できないから逆にリアルか。舞台を大阪の西成に設定して警察の目が行き届かずに不幸が起きるのは設定として上手いと思ったがカバーはしきれていないような……。

そんな具合なのでラストの卓球ラリーのシーンが最高に考察しがいのあるシーンだと思いつつ、なんとも言えないでいるのであった。警察が容疑者の自宅に行く際にサイレンを鳴らしていくことはない(警戒される効果しか無いから)のであの音は実際に聞こえているものでは無いだろうとか、ラリーは繋がりやコミュニケーションの象徴として描かれているだろうなとか、そんな感じ。「さがす」というタイトルで楓(原田・娘)が見つけてしまったものとしてこのラストを持ってくるのは秀逸だな、とは思うのだけれども。

詳しくないので断言できないが、感想とかを見ていると山内のパート以降の雰囲気はかなり韓流映画っぽいらしい。本映画監督の片山慎三は『パラサイト 半地下の家族』監督のポン・ジュノの助監督を務めていたそうで、知っているとその流れを感じられるんだとか。この辺は視聴後にウェブ上の感想とかを見ているときに知ったわけだが、韓流映画知らないどころか有名な『パラサイト』すら見ていないのにこの映画見ることになったチグハグさがいかにも自分って感じだ。場違いな所に来て筋違いなこと言ってる気もするんだよな。

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