オデッセイ

アンディ・ウィアーのSF小説「火星の人」の映画化。原作の「火星の人」がここ数年のSF業界でかなり話題になった作品であったため、放映前からかなり注目されていた大作である。

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原作は既読。なので映画を見る前から、邦題のオデッセイに文句たらたらである。原語で「Odyssey」なのかと思ったら、普通に原作通りの「The Martian」というタイトルでなんで邦題で変えるんだよ……と思ってしまう。オデュッセイアの要素そんなに無いだろ……?転じた一般名詞としての意味の「冒険・旅行」も違うしなぁ……。

原作は素人がWeb上に発表していたものが評価され、まとめたものをkindleで発表してヒット、出版社の目に留まり書籍化してまたヒット、そしてついには映画化……!というシンデレラストーリーを辿った作品である。文庫本で500ページ以上あるとはいえ、映画の尺が2時間半も用意されているのも驚愕である。普通は映画館の回転数を上げるために尺はとにかく短くしろ!と言われるのが通例なので、かなりのVIP待遇映画であると言える。

それで実際に見てみたらかなり理想的な映像化だった。原作でイメージが上手く湧かなかったところなども補完できて大満足の出来だった。リドリー・スコットの作風で心情描写が基本的に描かれないことを指摘する声があるようだが、ところどころで察しの付く描写があって個人的には良かった。ジャガイモに精神安定剤をかけているところとかさ。ハブが駄目になったあとすぐにキレずに、うっかり氷点下になっているキーボードに触れたタイミングで怒りを爆発させるところとか凄いリアルだ。

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そういう演出であった為、原作の軽いノリは若干抑え目だったかもしれないが、それでもテンポよく問題を解決していって面白い。良くある脇役の失敗でピンチみたいなシーンが無くて、プロフェッショナル達が全力を出して計画を進めていくというのは爽快感に一役買っている。良く考えると宇宙飛行士はエリート中のエリートなので、そんなミスは基本的にはしないというのは現実的だ。ネットで火星版DASH村とか言われていたが、それは序盤の話で途中からプロジェクトXだよな、これ。

そういえばファンには有名な「見て見て! おっぱい!->(.Y.)」のシーンは、原作知ってる人だけ察しが付く表現になっていた。読んだことない人は「F○ck」とかその辺の単語を使ったぐらいだと思うだろう(実際後半のシーンで伏字で使われている)。ニヤリシーンの一つである。

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