『マネー・ボール』で有名なノンフィクション作家マイケル・ルイスの『世紀の空売り』(既読)の映画化。住宅市場が安定して儲かる市場であると誰もが考えているなかで、2008年に起きることとなるリーマン・ショックを予見し、逆張りをすることで大儲けをした人々を描く。
Sponsored Link
05年、ニューヨーク。金融トレーダーのマイケルは、住宅ローンを含む金融商品が債務不履行に陥る危険性を銀行家や政府に訴えるが、全く相手にされない。そこで「クレジット・デフォルト・スワップ」という金融取引でウォール街を出し抜く計画を立てる。そして08年、住宅ローンの破綻に端を発する市場崩壊の兆候が表れる。 - 映画.com
金融や経済の用語の説明大変だろうなとは予想していたが、キャラクターが画面の向こう側の視聴者に語り掛けて(デッドプール(記事)お得意の「第四の壁を壊す」という奴だ)説明したり、苦労しているなという様子である。個人的にはなんかダサいからカッコイイナレーションで説明してほしい所なんだがしょうがないか。
なんか登場人物の名前違くない?と思ったが、実在する人間だからか名前を変えているらしい。最初に出てくるマイケル・バーリだけ実名のまんまなので戸惑った。逆に何でバーリはOKだったんだろう。
大体原作とおんなじなのだが映像になると印象変わるのも多い。クリスチャン・ベール演ずるバーリは冒頭から「こりゃあ変人だな……」という強烈な印象を与えることに成功している。あとアメリカの住宅事情調査で不動産会社と一緒になって現地を視察するシーン、庭付きの立派な家がどれもこれもがら空きになっている状況の異常さが際立って凄い。
Sponsored Link
邦題の副題に「華麗なる大逆転」と書いてあるが、ラストの印象はそこから受ける印象とはまったく異なる。大儲けはしたものの経済界の崩壊を受けてのものであるので、経済界に対する大きな落胆を抱えて終了する。だったら邦題は世紀の空売りのままで良かったんじゃないかなぁと思わないでもないが、一般世間は空売りって何?って感じだし、そもそも正確には空売りじゃないんだよな。
関連記事
Sponsored Link