2015年9月2日に人気ゲーム、メタルギアシリーズの最新作メタルギアソリッド5 ファントムペインが発売される。
私はシリーズをMGS1~3までしかやっておらず、4においては小説版で済ませている。したがって次に出る5の前作であるピースウォーカーについてだけ話を知らない状態である。このミッシングを埋めるために慌てて読んだわけだ。
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私はほとんどの人と同様、基本的にノベライズというものを評価していない。大抵の作品はメディアミックスの価値があったかどうか疑問になるような作品ばかりである。
ところがこの作品はゲームのノベライズの中でもおそらく最高に位置する作品だった。かなりの良作である。虐殺器官やハーモニー(両方既読)で知られる伊藤計劃のノベライズ版MGS4の良書だったので、同シリーズに2つも両ノベライズがあることになる。これは驚きである。
あとがきで小島秀夫も述べているが、両者には作品の熱狂的なファンであることが共通している。MGSのノベライズをやるまでは、作家として活動していたわけでもない。ファンを納得させるような二次創作(というと語弊があるか)をやるうえで重要なのはそこなのだろう。
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思うにこのシリーズは素材が魅力的なのである。現実の世界や歴史に基づいているシナリオである為、想像よりもずっと教養を試される内容である。とはいえ、丁寧に近代史について説明しているので分かりやすい。
この部分をゲームのキャラに説明させると、ただでさえ説教くさいこのシリーズが余計に押しつけがましくなってしまうので小説にこそ向いている部分だろう。現実の世界に通じるテーマを扱うような教養を感じられる作品が好きな私にとってはかなり好みの内容だった。
すでにMGS5のグラウンドゼロズの方は済ませてある(完全に序章というべき内容で、短いのですぐ終わるのである)。何とか間に合ったTPPの方はどんな話になるだろうか?
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