20億の針(新訳版) – ハル・クレメント

「重力への挑戦(早川だと「重力の使命」)」などで有名なSF作家ハル・クレメントの長編デビュー作。

1950年作品で、帯の宣伝にもあるとおり漫画「寄生獣」や映画「ヒドゥン」の様な共生生命SFの原点となった作品である。新しく新訳版が出たので読んだ。

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ニュースの天才

1998年に実際に起きた事件を元にしたノンフィクション映画。

政治雑誌の「The New Republic(ザ・ニュー・レパブリック誌)」は大統領機に乗せられるような伝統のある雑誌であったが、そこに所属する若手スター記者スティーヴン・グラスが約三年間にわたって捏造記事を書いていたことが明らかになるというスキャンダルを映像化している。

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企業不祥事の研究 経営者の視点から不祥事を見る – 井上泉

企業の不祥事のニュースが絶えない昨今であるが、私がネット上の情報ばかり見ているからか、口さがないというか感情的になりがちなものが多い。一度お堅い内容というか、きちんと資料を調べて原因や法則について体系的に考察した本を見ておきたいと思っていたので読んだ。

なお著者の井上泉は損害保険ジャパン、東日本高速道路の役員OBでタイトルにある「経営者の視点から」というフレーズは、「不祥事を起こした企業の経営者の発言やインタビューを元に」という意味ではない(当然関係者の公的な発言も資料の一つではあるが)。

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ブギーポップ・アンチテーゼ オルタナティヴ・エゴの乱逆 – 上遠野浩平

上遠野浩平の老舗ライトノベルの最新刊である。私はKindle待ちだったので紙の本で読んでいる人からは約二ヶ月遅れて読むことになった。

谷口正樹と、カミールこと織機綺が再登場。ちなみにスプーキーEが夢の中ではあるもののまた登場(またかよ!)。統和機構のメンバーの一部が集まってできた<アンチタイプ>と<カウンターズ>という組織が、合成人間でありながら特別な能力を発現させていないカミールの特異性に注目し、彼ら合成人間の未来に関わりうる可能性の奪い合いを始める。

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スキャナーに生きがいはない (人類補完機構全短篇1) – コードウェイナー・スミス

コードウェイナー・スミスの人類補完機構シリーズがとうとう全作品収められることとなった。ノーストリリアを除く作品がすべて短編で構成されるシリーズだが、順番がバラバラで未収録もあったので残念だと思っていたのだ。ほとんどの作品が再読になるが、もう何年も経ってるので内容を忘れている。

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さようなら、ロビンソン・クルーソー (〈八世界〉全短編2) – ジョン・ヴァーリイ

肉体改造が日常的になった遠い未来の人類を描くジョン・ヴァーリイのSF作品、八世界シリーズの全短編集の2巻目。

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