2024年放映。人気ゲームシリーズ『ボーダーランズ』の実写劇場版であるが、猛烈に酷評された。
原作プレイ済みで見てみたが個人的にはそんなに悪くないと思う。スター・ウォーズとマッド・マックスとガーディアンズ・オブ・ギャラクシーを足して割ったような、無難で手堅いSFファンタジーとして作られているという印象。なんだけど原作知らない人に原作に興味持って貰うような力が無かったことが残念だった感じかな。
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作品紹介
世界的人気を誇るアメリカのビデオゲーム「Borderlands(ボーダーランズ)」を、「ホステル」「グリーン・インフェルノ」のイーライ・ロス監督が実写映画化したアクションアドベンチャーコメディ。
謎めいた過去をもつ悪名高き賞金稼ぎリリスは、アトラスから行方不明になった娘の捜索を依頼され、銀河系で最も混沌とした惑星とされる故郷パンドラに仕方なく戻ってくる。傭兵ローランドや放浪の爆弾魔タイニー・ティナ、ティナの守護者クリーグ、風変わりな天才科学博士タニス、ロボットのクラップトラップと同盟を結んだリリスは、アトラスの娘の捜索と惑星パンドラに秘められた謎を明らかにするべく、危険に満ちた冒険の旅に出る。
ケイト・ブランシェットが主人公リリス、ケビン・ハートが傭兵ローランド、ジェイミー・リー・カーティスが科学博士タニス、アリアナ・グリーンブラットがタイニー・ティナを演じ、ジャック・ブラックがロボットのクラップトラップ役で声の出演。Amazon Prime Videoで2025年1月24日から配信。 - 映画.com
前置き
実写映画版といえばかつては評判最悪なのが当たり前であったが、ここ10年はその印象を覆すような評価の作品がどんどん出てきて快進撃となっていった。本作はそんな気運の中で産まれて、そして最悪の評判に終わった作品である。
原作は『ボーダーランズ2』(記事)と『ボーダーランズ3』(記事)をプレイ済み。そんな中、あのボーダーランズが実写映画化されるということを聞いて時代だなぁと思っていたら、海の向こうで大爆死を決めたと聞いて驚愕した。今もうそんな時代じゃないけどな……?というわけで、このたびAmazon Prime Videoで配信が始まったと聞いて駆けつけたというわけである。
感想
吹き替えで見たが声優はオリジナルと同じだし、背景や小道具も作品世界をしっかり表現できている。どんなにヤバいもんかと物見遊山で見に来たものの、ちゃんと作られてるじゃんと良い意味で拍子抜けだ。
評判が良くないのは「とにかく人物も世界も倫理観無視のヒャッハー世界」という原作の雰囲気が再現できていないことにあると思う。ケイト・ブランシェットという超有名女優を連れてきたのは驚いたが、それもあってかケイト演ずる主人公リリス視点のちょっとウェットな作品になっている。序盤からナレーションがマーカスじゃなくてリリスで、普通の作品だったら良いんだけどこれじゃボーダーランズの雰囲気じゃないよなぁ。
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その辺の原作のハチャメチャな雰囲気のことを考えなければ凄い無難にSFファンタジー作品として手堅い作品。凄く無難にハリウッド映画の文法のストーリーに原作の設定を当てはめて作った感じ。なんだけど無理を感じるところもあるというか、ロリが鍵になる「ファンタジーあるある構成」にボーダーランズを当てはめたらそれがティナになるのは分かるんだけど、「あ~、ティナ……。ティナかぁ……」ってなった。原作未プレイ組はなんでそんなイヤボーン系ポジションのヒロインが爆弾魔になっているのかサッパリ分からないよな。そういう風に作ったけど、このジャンルの先輩として『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』という先駆者が居て、そっちが結構ハジケてるから余計によろしくない評価になるんじゃないかな。
原作やっておいて設定をあんまり理解できていないところがあるのだが、ティナがアトラス社の実験クローンで超能力使えたりするのって原作でもそうなんだっけ?ローランドはタレット使わないし、リリスはセイレーンじゃないっぽいなぁ……と思っていたらリリスに衝撃の設定が待っていた。セイレーンってエリディアンと人間のハーフ的な設定有ったっけ?タニスがセイレーンって言ってるから多分セイレーンなんだよな。
あんまり本筋ではないんだけど、なんで女性キャラの谷間が強調されるような服ばっかりなの……。いやモクシーがそういうキャラなのは分かってるんだけど、タニスが原作より圧倒的におばあちゃんなのに初っぱなのシーンでバッチリ谷間見えたときは素で「なんで……?」ってなった。とはいえ原作ボーダーランズもキャラデータ改造してエロ動画作ってるヤツらが結構いた(このジャンルでオーバーウォッチと2分している印象)わけで、トゥームレイダーズの研ナオコでイケるアメリカ人の感性がこういうところで出たのかもしれない。
終わりに
調べたら有名映画批評サイトのロッテントマトで一時的にスコアが0%になったり、ゴールデンラズベリー賞という最低の映画を決める賞まで受賞してしまったんだそうな。散々だなぁ。でも映画大国のかの国ではもっと酷い映画なんて一杯あるわけで、俳優の知名度とかにリソースを割り振ったディレクションミスで期待値から大きく外れてしまうとこうなるのかな。
原作の味を出すんならツッコミ不在のハチャメチャにしないといけなかったと思うのだが、まず監督のイーライ・ロスからして基本的にホラー映画を撮っている人らしい。この辺からもうどういう人選なんだ?って感じだなぁ。
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